嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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後悔しない選択を

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 長男であるセイン殿下の婚約者である公爵令嬢エリーナ・ルコット様。

 三男のジーク殿下の婚約者であるカティーナ・オリジン伯爵令嬢様。

 四男のソルト殿下の婚約者であるシルビア・グリーノ伯爵令嬢様。

 十八歳のエリーナ様、十五歳のカティーナ様、十三歳のシルビア様は、本当の姉妹のように仲が良く、普段から親しくされているらしい。

 次男のサリュ殿下の婚約者であるサングリア子爵令嬢様は、少し俯きがちで・・・

 でも、エリーナ様もお声をかけているし、先ほどご挨拶いただいたけど嫌な感じは受けなかったわ。

 ということは、サリュ殿下の勘違いの可能性が高いわね。

 エリーナ様とサングリア子爵令嬢であるメリッサ様しか周囲にいないし、ここは直球勝負かしら。

「サングリア様には幼馴染がいらっしゃるとか。今も交流がございますの?」

「・・・オルコット男爵家の三男で、レオと言います。幼い頃はよく一緒に遊んでいました。両親とオルコット男爵夫妻は友人ですので。ですが、私がサリュ殿下と婚約してからは適度な距離を取ることを心がけています」

 ほら。
真っ当な答えが返って来たわ。

 サリュ殿下と婚約してから、適度な距離を取ることを心がけている。

 幼馴染でご両親たちが友人なら、そのレオという方との婚約も話が上がったかもしれない。

 それでも、その方とではなくサリュ殿下との婚約が成ったということは、そういうことなのよ。

 お互い、ちゃんと自分の気持ちを相手に伝えて、話し合った方がいいんじゃないかしら。

 少なくとも、ご兄弟にはサリュ殿下はメリッサ様のことを好いていると見えているようだし・・・

 メリッサ様もサリュ殿下のことを、ちゃんと婚約者として尊重しようとしていると感じるわ。

「・・・サングリア様。ひとり言を言いますわ」

 そう前置きしてから口を開いた。

「私は、かつてローゼン王国の王太子殿下の婚約者でした。伯爵令嬢である私が王太子殿下の婚約者になることを王妃様は良く思われなくて、王太子妃教育はとても厳しく辛かったです。ですが、私は殿下のことをお慕いしていましたから頑張ることが出来ました。でも殿下とすれ違いがあって・・・結局婚約を解消することになりましたの。あとで知ったのですが、殿下は私のことをとても好いてくださっていたそうです。そして、すれ違いはあったけれどそのお気持ちに変わりはなかった、と。人の気持ちは目には見えません。本当に大切なら、自分の心を正直に相手に伝え、相手のお気持ちもお聞きしなければ、ほんの少しのすれ違いで失ってしまうこともあります。後悔していませんがサングリア様、後悔しない選択をなさってくださいませ」
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