178 / 215
後悔しない選択を
しおりを挟む
長男であるセイン殿下の婚約者である公爵令嬢エリーナ・ルコット様。
三男のジーク殿下の婚約者であるカティーナ・オリジン伯爵令嬢様。
四男のソルト殿下の婚約者であるシルビア・グリーノ伯爵令嬢様。
十八歳のエリーナ様、十五歳のカティーナ様、十三歳のシルビア様は、本当の姉妹のように仲が良く、普段から親しくされているらしい。
次男のサリュ殿下の婚約者であるサングリア子爵令嬢様は、少し俯きがちで・・・
でも、エリーナ様もお声をかけているし、先ほどご挨拶いただいたけど嫌な感じは受けなかったわ。
ということは、サリュ殿下の勘違いの可能性が高いわね。
エリーナ様とサングリア子爵令嬢であるメリッサ様しか周囲にいないし、ここは直球勝負かしら。
「サングリア様には幼馴染がいらっしゃるとか。今も交流がございますの?」
「・・・オルコット男爵家の三男で、レオと言います。幼い頃はよく一緒に遊んでいました。両親とオルコット男爵夫妻は友人ですので。ですが、私がサリュ殿下と婚約してからは適度な距離を取ることを心がけています」
ほら。
真っ当な答えが返って来たわ。
サリュ殿下と婚約してから、適度な距離を取ることを心がけている。
幼馴染でご両親たちが友人なら、そのレオという方との婚約も話が上がったかもしれない。
それでも、その方とではなくサリュ殿下との婚約が成ったということは、そういうことなのよ。
お互い、ちゃんと自分の気持ちを相手に伝えて、話し合った方がいいんじゃないかしら。
少なくとも、ご兄弟にはサリュ殿下はメリッサ様のことを好いていると見えているようだし・・・
メリッサ様もサリュ殿下のことを、ちゃんと婚約者として尊重しようとしていると感じるわ。
「・・・サングリア様。ひとり言を言いますわ」
そう前置きしてから口を開いた。
「私は、かつてローゼン王国の王太子殿下の婚約者でした。伯爵令嬢である私が王太子殿下の婚約者になることを王妃様は良く思われなくて、王太子妃教育はとても厳しく辛かったです。ですが、私は殿下のことをお慕いしていましたから頑張ることが出来ました。でも殿下とすれ違いがあって・・・結局婚約を解消することになりましたの。あとで知ったのですが、殿下は私のことをとても好いてくださっていたそうです。そして、すれ違いはあったけれどそのお気持ちに変わりはなかった、と。人の気持ちは目には見えません。本当に大切なら、自分の心を正直に相手に伝え、相手のお気持ちもお聞きしなければ、ほんの少しのすれ違いで失ってしまうこともあります。私は後悔していませんがサングリア様、後悔しない選択をなさってくださいませ」
三男のジーク殿下の婚約者であるカティーナ・オリジン伯爵令嬢様。
四男のソルト殿下の婚約者であるシルビア・グリーノ伯爵令嬢様。
十八歳のエリーナ様、十五歳のカティーナ様、十三歳のシルビア様は、本当の姉妹のように仲が良く、普段から親しくされているらしい。
次男のサリュ殿下の婚約者であるサングリア子爵令嬢様は、少し俯きがちで・・・
でも、エリーナ様もお声をかけているし、先ほどご挨拶いただいたけど嫌な感じは受けなかったわ。
ということは、サリュ殿下の勘違いの可能性が高いわね。
エリーナ様とサングリア子爵令嬢であるメリッサ様しか周囲にいないし、ここは直球勝負かしら。
「サングリア様には幼馴染がいらっしゃるとか。今も交流がございますの?」
「・・・オルコット男爵家の三男で、レオと言います。幼い頃はよく一緒に遊んでいました。両親とオルコット男爵夫妻は友人ですので。ですが、私がサリュ殿下と婚約してからは適度な距離を取ることを心がけています」
ほら。
真っ当な答えが返って来たわ。
サリュ殿下と婚約してから、適度な距離を取ることを心がけている。
幼馴染でご両親たちが友人なら、そのレオという方との婚約も話が上がったかもしれない。
それでも、その方とではなくサリュ殿下との婚約が成ったということは、そういうことなのよ。
お互い、ちゃんと自分の気持ちを相手に伝えて、話し合った方がいいんじゃないかしら。
少なくとも、ご兄弟にはサリュ殿下はメリッサ様のことを好いていると見えているようだし・・・
メリッサ様もサリュ殿下のことを、ちゃんと婚約者として尊重しようとしていると感じるわ。
「・・・サングリア様。ひとり言を言いますわ」
そう前置きしてから口を開いた。
「私は、かつてローゼン王国の王太子殿下の婚約者でした。伯爵令嬢である私が王太子殿下の婚約者になることを王妃様は良く思われなくて、王太子妃教育はとても厳しく辛かったです。ですが、私は殿下のことをお慕いしていましたから頑張ることが出来ました。でも殿下とすれ違いがあって・・・結局婚約を解消することになりましたの。あとで知ったのですが、殿下は私のことをとても好いてくださっていたそうです。そして、すれ違いはあったけれどそのお気持ちに変わりはなかった、と。人の気持ちは目には見えません。本当に大切なら、自分の心を正直に相手に伝え、相手のお気持ちもお聞きしなければ、ほんの少しのすれ違いで失ってしまうこともあります。私は後悔していませんがサングリア様、後悔しない選択をなさってくださいませ」
1,730
あなたにおすすめの小説
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
一年だけの夫婦でも私は幸せでした。
クロユキ
恋愛
騎士のブライドと結婚をしたフローズンは夫がまだ婚約者だった姉を今でも想っている事を知っていた。
フローズンとブライドは政略結婚で結婚式当日にブライドの婚約者だった姉が姿を消してしまった。
フローズンは姉が戻るまでの一年の夫婦の生活が始まった。
更新が不定期です。誤字脱字がありますが宜しくお願いします。
【完結】彼の瞳に映るのは
たろ
恋愛
今夜も彼はわたしをエスコートして夜会へと参加する。
優しく見つめる彼の瞳にはわたしが映っているのに、何故かわたしの心は何も感じない。
そしてファーストダンスを踊ると彼はそっとわたしのそばからいなくなる。
わたしはまた一人で佇む。彼は守るべき存在の元へと行ってしまう。
★ 短編から長編へ変更しました。
婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。
目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。
「あなたは、どなたですか?」
その一言に、彼の瞳は壊れた。
けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。
セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。
優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。
――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。
一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。
記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。
これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる