13 / 28
第13話
「さて、どうするか決めたのか」
父親の問いかけに、マグエルは言葉もなく俯いた。
決めたのかと言われても、廃籍などと言われてどうしろというのか。
廃籍と言われた後、エリンに会いにネーヴェ伯爵家に行ったが、留守だと執事から追い返された。
がっかりして戻って来たら、屋敷には父親もミリィもいなくて、そういえばセラフィム子爵家へ行くとか言ってたことに気付いた。
一緒に来るように言われたが、何故謝罪になど行かなければならないのか、意味がわからない。
我が家は侯爵家で、相手は子爵家だというのに、どうして父上は謝罪だなんて言うんだ?
マグエルは、確かにミリィが側にいてと言ったから、ニケとのデートはキャンセルした。
だけどそれは義妹の体調が悪いんだから、仕方ないことだろう?
エリンが寂しいから一緒に出かけたいと言ったから、デートに連れて行った。
だけどそれは、幼馴染が友達がいないから婚約者とも友達になれたらって言うから、その橋渡しみたいなものだろう?
なのに、どうして婚約破棄だなんて言われなきゃならないんだ?
有責って言うけど、何が罪だって言うんだ?
結局ニケは、マグエルの愛を独り占めしたくて、嫉妬しているだけじゃないか?
ちょっと拗ねるくらいなら可愛げがあるのに、婚約破棄だなんてやり過ぎだろう。
おかげで父上には叱られるし、廃籍だなんて笑えない冗談まで言われてしまったじゃないか。
マグエルは頭の中で、そう考えているうちに、ニケに対して腹が立って来てしまった。
ニケに文句を言いに行こう。そして、自分が悪かったと謝罪させよう。
そう決意し、マグエルは父親にバレないようにそっと屋敷から出た。
一方、エリン・ネーヴェ伯爵令嬢は、父親と母親から酷く叱責されていた。
マグエルがネーヴェ伯爵家を訪れた際に、実はエリンは居たのだが、父親である伯爵が追い返すように執事に伝えたのだ。
侯爵家の子息であり、幼馴染のマグエルを追い返すなんてと父に言い募ったエリンは、それから1時間もの間ずっと両親から叱られ続けている。
「お父様もお母様も、どうしてそんな酷いことを言うの?マグエルは幼馴染なのよ。しかも侯爵家の後継。仲良くして何がいけないの?」
「いい加減にしなさい!婚約者のいる子息にベタベタと纏わりつくなど、それでも伯爵家の娘かっ!それに、もうマグエルは侯爵家の後継などではない!!」
「な、何を言ってるの?あそこはもうマグエルしかいないじゃない」
「セラフィム子爵家を怒らせたのだ。マグエルを廃籍しなければロートレック侯爵家は没落するしかない。お前も、嫁の貰い手などもう無くなった。そんなにマグエルがいいなら、一緒に平民にでも何にでもなるがいい!」
「お父様っ?お母様!何とかおっしゃって下さい」
父の絶縁宣言に、唖然として母に助けを求めるが、伯爵夫人である母は冷たくエリンを見つめるだけで、助けてくれない。
「婚約者のいる、しかもセラフィム子爵家のご令嬢の婚約者にまとわり付いた令嬢だと、社交界で噂になっているわ。貴女に縁談など2度と来ないでしょう。平民でも良識のある者は親しくすらしてくれないでしょうね」
エリンは初めて聞く母親の冷たい言葉に、何も言うことが出来なくなった。
ただ、マグエルと親しくしていただけなのに。
ほんの少し、子爵家の令嬢なんかでなく、自分の方が婚約者に相応しいのにと思っていただけなのに。
一体、何を間違えたというのだろうか。
父親の問いかけに、マグエルは言葉もなく俯いた。
決めたのかと言われても、廃籍などと言われてどうしろというのか。
廃籍と言われた後、エリンに会いにネーヴェ伯爵家に行ったが、留守だと執事から追い返された。
がっかりして戻って来たら、屋敷には父親もミリィもいなくて、そういえばセラフィム子爵家へ行くとか言ってたことに気付いた。
一緒に来るように言われたが、何故謝罪になど行かなければならないのか、意味がわからない。
我が家は侯爵家で、相手は子爵家だというのに、どうして父上は謝罪だなんて言うんだ?
マグエルは、確かにミリィが側にいてと言ったから、ニケとのデートはキャンセルした。
だけどそれは義妹の体調が悪いんだから、仕方ないことだろう?
エリンが寂しいから一緒に出かけたいと言ったから、デートに連れて行った。
だけどそれは、幼馴染が友達がいないから婚約者とも友達になれたらって言うから、その橋渡しみたいなものだろう?
なのに、どうして婚約破棄だなんて言われなきゃならないんだ?
有責って言うけど、何が罪だって言うんだ?
結局ニケは、マグエルの愛を独り占めしたくて、嫉妬しているだけじゃないか?
ちょっと拗ねるくらいなら可愛げがあるのに、婚約破棄だなんてやり過ぎだろう。
おかげで父上には叱られるし、廃籍だなんて笑えない冗談まで言われてしまったじゃないか。
マグエルは頭の中で、そう考えているうちに、ニケに対して腹が立って来てしまった。
ニケに文句を言いに行こう。そして、自分が悪かったと謝罪させよう。
そう決意し、マグエルは父親にバレないようにそっと屋敷から出た。
一方、エリン・ネーヴェ伯爵令嬢は、父親と母親から酷く叱責されていた。
マグエルがネーヴェ伯爵家を訪れた際に、実はエリンは居たのだが、父親である伯爵が追い返すように執事に伝えたのだ。
侯爵家の子息であり、幼馴染のマグエルを追い返すなんてと父に言い募ったエリンは、それから1時間もの間ずっと両親から叱られ続けている。
「お父様もお母様も、どうしてそんな酷いことを言うの?マグエルは幼馴染なのよ。しかも侯爵家の後継。仲良くして何がいけないの?」
「いい加減にしなさい!婚約者のいる子息にベタベタと纏わりつくなど、それでも伯爵家の娘かっ!それに、もうマグエルは侯爵家の後継などではない!!」
「な、何を言ってるの?あそこはもうマグエルしかいないじゃない」
「セラフィム子爵家を怒らせたのだ。マグエルを廃籍しなければロートレック侯爵家は没落するしかない。お前も、嫁の貰い手などもう無くなった。そんなにマグエルがいいなら、一緒に平民にでも何にでもなるがいい!」
「お父様っ?お母様!何とかおっしゃって下さい」
父の絶縁宣言に、唖然として母に助けを求めるが、伯爵夫人である母は冷たくエリンを見つめるだけで、助けてくれない。
「婚約者のいる、しかもセラフィム子爵家のご令嬢の婚約者にまとわり付いた令嬢だと、社交界で噂になっているわ。貴女に縁談など2度と来ないでしょう。平民でも良識のある者は親しくすらしてくれないでしょうね」
エリンは初めて聞く母親の冷たい言葉に、何も言うことが出来なくなった。
ただ、マグエルと親しくしていただけなのに。
ほんの少し、子爵家の令嬢なんかでなく、自分の方が婚約者に相応しいのにと思っていただけなのに。
一体、何を間違えたというのだろうか。
あなたにおすすめの小説
幼馴染が最優先な婚約者など、私の人生には不要です。
たると
恋愛
シュタイン伯爵家の長女エルゼは、公爵子息フィリップに恋をしていた。
彼の婚約者として選ばれた時は涙を流して喜んだが、その喜びもいまは遠い。
『君は一人でも大丈夫だろう。この埋め合わせは必ずする。愛している』
「……『愛している』、ですか」
いつも幼馴染を優先するアルベルトに、恋心はすっかり冷めてしまった。
愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
恋人が聖女のものになりました
キムラましゅろう
恋愛
「どうして?あんなにお願いしたのに……」
聖騎士の叙任式で聖女の前に跪く恋人ライルの姿に愕然とする主人公ユラル。
それは彼が『聖女の騎士(もの)』になったという証でもあった。
聖女が持つその神聖力によって、徐々に聖女の虜となってゆくように定められた聖騎士たち。
多くの聖騎士達の妻が、恋人が、婚約者が自分を省みなくなった相手を想い、ハンカチを涙で濡らしてきたのだ。
ライルが聖女の騎士になってしまった以上、ユラルもその女性たちの仲間入りをする事となってしまうのか……?
慢性誤字脱字病患者が執筆するお話です。
従って誤字脱字が多く見られ、ご自身で脳内変換して頂く必要がございます。予めご了承下さいませ。
完全ご都合主義、ノーリアリティ、ノークオリティのお話となります。
菩薩の如き広いお心でお読みくださいませ。
小説家になろうさんでも投稿します。
文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる──
侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。
だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。
アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。
そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。
「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」
これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。
4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。
婚約破棄をしてきた婚約者と私を嵌めた妹、そして助けてくれなかった人達に断罪を。
しげむろ ゆうき
恋愛
卒業パーティーで私は婚約者の第一王太子殿下に婚約破棄を言い渡される。
全て妹と、私を追い落としたい貴族に嵌められた所為である。
しかも、王妃も父親も助けてはくれない。
だから、私は……。
君に愛は囁けない
しーしび
恋愛
姉が亡くなり、かつて姉の婚約者だったジルベールと婚約したセシル。
彼は社交界で引く手数多の美しい青年で、令嬢たちはこぞって彼に夢中。
愛らしいと噂の公爵令嬢だって彼への好意を隠そうとはしない。
けれど、彼はセシルに愛を囁く事はない。
セシルも彼に愛を囁けない。
だから、セシルは決めた。
*****
※ゆるゆる設定
※誤字脱字を何故か見つけられない病なので、ご容赦ください。努力はします。
※日本語の勘違いもよくあります。方言もよく分かっていない田舎っぺです。
【完結】「心に決めた人がいる」と旦那様は言った
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
「俺にはずっと心に決めた人がいる。俺が貴方を愛することはない。貴女はその人を迎え入れることさえ許してくれればそれで良いのです。」
そう言われて愛のない結婚をしたスーザン。
彼女にはかつて愛した人との思い出があった・・・
産業革命後のイギリスをモデルにした架空の国が舞台です。貴族制度など独自の設定があります。
----
初めて書いた小説で初めての投稿で沢山の方に読んでいただき驚いています。
終わり方が納得できない!という方が多かったのでエピローグを追加します。
お読みいただきありがとうございます。