あなたなんて大嫌い

みおな

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第23話

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 結局、全く引いてくれないラギトに押し切られた形で、ニケは婚約解消早々に新しい婚約者が出来ることとなった。

 (おかしいわ。どうしてこんなことになったのかしら?)

 数日前に婚約を解消して、自分が悪いわけではないけど、次の婚約者ができるのは先になるだろうと思っていた。
 なのに、婚約解消して数日のうちに、この国の王太子殿下と婚約?

 いろんなことがおかしすぎる。

「ニケちゃん。ラギト王子と婚約したって本当?」

 ニケがラギトを見送った後、部屋に戻ると、バタバタと義姉アリエルと母親のビアンカが駆け寄って来た。

「お母様。お義姉様」

「ラギト王子、ニケちゃんが初恋の相手なのよ。ラギト王子の粘り勝ちってことね。ロートレック侯爵子息が馬鹿だったおかげで、ラギト王子報われたわね~」

「本当ね。ニケちゃんが婚約した時はショックのあまりに引きこもりになってたものね」

 楽しそうに笑い合う母と義姉に、ニケは首を傾げる。
 なんだかおかしなワードが混じってたような・・・

「引きこもり?」

 王太子が?あの冷酷腹黒王太子と呼ばれてるラギト王太子が?

 いや。その前に、初恋?
え?だって、ちゃんと話したの今日が初めてよ?顔合わせでのだって数えるくらいしかないのに。

「ふふっ。ねぇ、ニケちゃん。ラギト王子はね、ニケちゃんの絵姿を王妃様に見せてもらって一目惚れしたんですって。一目惚れはうちの家系のある意味伝統よね」

「どういうことですか?」

「ご先祖様のアリス・ビスクランド伯爵令嬢も、旦那様になったセシル・サードニクス公爵に一目惚れされたのですって。ジーク・ケルドラード様もシリス様に一目惚れなさったそうだし、ビスクランドの家系は一目惚れされる運命みたいよ」

 初めて聞いたわ、そんなこと。
というか、その見た目で好きになったあと、溺愛されたのよね?曾祖母様も祖母様も。ある意味、すごい人だったのね、曾祖父様も祖父様も。

 ラギト王子はそういうタイプじゃなさそう。
 あれ?でも、曾祖父様って確か腹黒だって言われてたと聞いたわ。
 え?もしかしたら、ラギト王子も溺愛系なのかしら?

 ニケが脳内で諸々考えているのを、アリエルもビアンカもニコニコと微笑いながら見つめている。

 男衆、父親のオルテスや兄のノクス、義兄のブラッドは、溺愛しているニケがラギトと婚約したと聞いたら、相当悔しがるだろうが、女衆は大切なニケを溺愛してくれる婚約者が出来ることに大喜びだ。

 ラギトなら身分も見た目も、全く問題がない。その上、初恋がニケで他に婚約者が出来たショックで引きこもるほどだ。

 文句なしの相手と言えよう。
不平不満を言いそうな夫を宥めなければと、アリエルとビアンカは顔を見合わせるのだった。
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