拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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お姉様は楽しそうです。

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「愛妾・・・ふふふっ。婚約破棄した相手を愛妾にだなんて、コンラッド公爵令息様はのですねぇ」

 お姉様の言葉に、元婚約者様は顔を赤らめている。

 いや、何嬉しそうなの?
お姉様のはイヤミよ?褒めてるんじゃないのよ?

 お姉様は楽しそうだし。

 とことん、やるおつもりなのね。

 私は別に良いのに。

「楽しそうだな、オーロラ様」

「・・・ええ、間違いなく楽しまれているわね。最近、娯楽がないと言っていたから」

 仕方ないわ。
オーロラ・メルキオールに手出しした元婚約者様が悪いのよ。

「それよりも、あのドレスと宝飾品はなに?自己主張が激しすぎるのだけど」

「え、気に入らないから着てくれなかったのか?やっとをクリアしたのに」

「まだ全クリアしたわけじゃないのよ。私不貞してると思われたらどうしてくれるの。アレは全クリアした時に着るわ」

 私は今日の卒業パーティー、姉が持って来た黒地に白色のレースと刺繍のドレスを着ている。

 姉には私が送って来たドレスを着ないことは想像出来ていたようで、宝飾品も黒曜石のものが準備されていた。

 ただエスコートは、お願いした。

 一応、身内になるから問題はないだろう。

 私の隣に立つ、頭ひとつ背の高いを見上げる。

 銀髪に深紅の瞳の、私の従兄。

 オーロラお姉様の夫であるルーファス様の弟。

 シリル・マキシミリオン。

「シリル。今回は元婚約者様が馬鹿だったから婚約は流れたけど、私は立場上政略結婚もやむ得ないと考えているの。だから、お父様の出した条件をクリアしない限り、シリルを従兄弟以上に見たりしないわ」

「・・・分かってる。兄上にも釘を刺された。ごめん。つい浮かれてしまったんだ」

「うん。今日はエスコートしてくれてありがとう」

「僕望んだことだから。それよりもオーロラ様、どうするんだろうな」

 シリルはこの話は終わりとばかりに、お姉様たちの方へ視線を向けた。

 どうするって、多分徹底的に元婚約者様をどん底にたたき落とすつもりだと思うけど。

「だからさ、その方法だよ」

 うーん。身分を明かすのが一番簡単だけど、私身分を明かすことはお父様から止められているのよね。

 王配殿下やコンラッド公爵は、元婚約者様に廃籍という形の断罪をするつもりだったみたいだけど、お姉様に喧嘩を売ったんだもの。それで済むわけないと思うけど・・・

 確かに、どうするのかしら。


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