拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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予想通りの条件。

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 そして、シリルがマキシミリオン王国からやって来た。

 協力する代わりに出された条件は、予想通りだった。

「婚約するのはかまいませんが、恋や愛を求めないとお約束下さい。同じ時間を過ごすうちに気持ちは変わるかもしれません。ですが、今の時点でそれを求められても気持ちというものは思い通りにはならないものですから」

 決してシリルのことは嫌いではないし、どちらかといえば好きだとは思うけど、まだ家族愛の範疇なのよね。

 私は政略結婚を受け入れるつもりで元婚約者様とも婚約したから、シリルと結婚するのが嫌だというわけではないのよ。

 ただ、今の時点で愛や恋を求められても困るというだけで。

「分かってる。もしこの先もクロエが僕を愛することがなくても、せめて敬愛されるように努力する」

「・・・私もシリルに敬愛してもらえるよう、努力するわ。後で、婚約に関する決まりを決めましょう」

「分かった。とりあえずは、今回の件を片付けてからだね」

 シリルのこういうところ、好きだと思う。

 優先順位が何かよく分かっていて、いつまでもグチグチ言わないのよね。


「そうね。目的は三つ。そのレグディア男爵令嬢の立ち位置の把握ね。彼女が薬を使っているのか。それとも単なる駒なのか。薬をどうやって手に入れているのか。それから目的ね。伯爵令息を魅了するのはいいけど、結婚できるのはひとり。なら、何人にもちょっかい出すのは、何故なのか。本人の意思なのか、それとも闇組織からの指示なのか、ね」
 
「で、僕の役割は?」

「シリルの身分を知らないとしても、その容姿だもの。絶対に近付いて来るはずよ。そこで上手く情報を引き出したいわ」

 そのためにシリルには、たくさん魔道具を持って来てもらったんだし。

 マキシミリオン王国の魔道具は、本当に色々なものがあるのよね。

「どうやって接触する?」

「パーティーを開くわ。レグディア男爵令嬢に傾倒してるという、伯爵令息たちの様子も見たいし」

 薬を使われてる可能性については、アグネス様とドロシー様にお話したわ。

 ドロシー様はいいけど、アグネス様は少し悩まれていたわ。

 それはそうよね。
薬のせいだからといって、全てなかったことにするのは、納得いかない部分もあるのでしょう。

 だから、薬が抜けてからのブッセ伯爵令息の態度で判断するのだとか。

 ご両親も、アグネス様の思うようにすればいいとおっしゃったそうよ。

 婚約解消になるようなら、お母様かお姉様にどなたか紹介していただけばいいわ。

 別にこの国の貴族でなくてもいいんだもの。

 
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