拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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あなたの隣で強くなる。

 シリルへ思ったことを伝えた翌日から、私は学園で常にシリルの隣にいるようになった。

 もちろん授業の関係で、共にいられないことも多い。

 でもそれ以外は必要以上に、一緒にいることを心がけた。

 そもそも、婚約者との交流を深めるために留学したのに、本末転倒だったわ。

「・・・」

 ものすごく、視線を感じるわ。

 私が隣にいても、全く気にするでもなくミリー・アーゼル男爵令嬢はシリルに話しかけて来た。

 当然、シリルは完全無視で反応すらしない。

 焦れたミリー様が、私の腕に手をかけようとした時、初めてその手を弾き飛ばそうと動いて・・・

 私シリルの手をやんわりと止めた。

 にっこりと微笑んで、シリルに反応しないようにと視線で止める。

 そして、私の腕に触れたミリー様の手を扇子で叩いた。

「痛っ!」

「あら?ごめんなさい。突然腕を掴まれたものですから。アーゼル様も貴族令嬢ですからですわよね?後ろから突然手をかけられた場合、防御反応としてその手を叩き落としても罪に問われることはないことは。ご用でしたら、まずは名前を呼びかけて、立ち止まり振り返るのを待ってからお話下さいな」

 廊下にいる周囲の人にも聞こえるように、ミリー様に諭す。

 王族のシリルに、まとわりついている時点で不敬なのだけど、彼女にはそういう常識は通じない。

 シリルは、彼女のあまりにも常識が通じない様子に『何か他に目的があるのではないか』と考えたみたい。

 陛下たちにも報告の上で、無視をしながらミリー様の言動を調査していたのだとか。

 まぁ、ここまで常識がないと、逆に何か目的があるのかと疑いたくなるわよね。

 でも、元婚約者様やファンティーヌ様を見ていた私は、全ての人に常識があるとは思えない。

 もちろん、元婚約者様たちはは持たれていたけど。

 あの方たちは、私が身分が下だと思っていたから見下していたのよね。

 そういう意味では、ミリー様は確かに特殊だわ。

 最初は「私が男爵令嬢だからそんなことを言うんですね!」とか言ってたけど、私が「あら?相手が公爵令嬢だとしても、同じ行動をされたら同じように対処しますわ。もちろん、マキシミリオン王国の公爵令嬢様がそんな行動をなさるわけはありませんけど」と反論したら、何も言えなかったみたい。

 実際、私は相手が誰でも対応を変えるつもりはないから、嘘じゃないわ。

 そんな私たちの様子をリグレスト侯爵令嬢は、離れた場所から見ていたみたい。

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