拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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帰国と報連相。

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 王妃殿下の計らいで、すぐにメルキオール帝国へ帰国することが叶った。

 モタモタしていたら、国王陛下たちに拘束されてしまうかもしれないもの。

 その身を穢されてしまったら、その相手に嫁がなければならなくなってしまう。

 シリルはレシピエンス王国の王女殿下と婚約させるつもりらしいけど、私やメルキオール帝国に言うことを聞かせるために、誰か手頃な令息に私を襲わせる可能性があった。

 あの二人は、常識で考えられないことをやりかねないと王妃殿下もお考えだったわ。

 シリルが仲の良い魔法師の方に口をきいてくれて、隠蔽の魔道具を貸してくれた。

 メルキオール帝国との国境で王妃殿下が貸してくださった護衛の方に渡せばいいって。

 ありがたいわ。
追いかけられて捕まったら、行方不明扱いにされそうだもの。

「「「「クロエ!」」」」

 メルキオール帝国に無事に到着し、城に入った途端に、お父様お母様お姉様お義兄様が迎えに来てくれた。

 お母様とお姉様のけしからんお胸に、ギュウギュウと挟まれる。

「く、苦しいですわ、お母様、お姉様」

「「あ、ごめんなさい。おかえりなさい、クロエ」」

「「おかえり、クロエ」」

「ただいま帰りました」

 やっぱり家族と会うとホッとする。

 あのまともでない人たちとの会話が、よほど負担だったのかしら。

「シリルから、魔道具で連絡があった。うちの父親と兄が本当に迷惑をかけた。申し訳ない」

「お義兄様。悪いのはあの二人です。お義兄様が謝罪する必要はありませんわ。私もまさか国王陛下と王太子殿下が、あのような理不尽な発言をされるとは思いませんでした」

「シリル殿下との婚約は解消になったのね?」

「売り言葉に買い言葉みたいになってしまったのですが、シリルのことを嫌いになったというわけではないのです。ただ、信用し合える間柄を約束したばっかりだったので・・・それに、あのまま婚約を継続すればあの人たちに都合良く使われそうな気がして」

 ルーファスお義兄様の前で、ご家族を悪くいうのは申し訳ないけど、あれは酷過ぎだもの。

 それに、原因がシリルではなくてあの二人だと理解してもらわなきゃ。

「王妃殿下と王太子妃殿下には、謝罪していただきました。男尊女卑の傾向の強いお二方のせいで随分と肩身の狭い思いをしていたようです。お父様、お母様、罰は国王陛下と王太子殿下のみにお願いします」

「シリル殿下はいいの?」

「はい。シリルには、私が婚約を解消したことを後悔するくらい、いい男になってもらわなきゃならないので」

 そして、幸せになって欲しいから。
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