死に戻りの魔女は溺愛幼女に生まれ変わります

みおな

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第1章

生まれ変わったら、別人でした

 意識がゆっくりと浮上します。
どうして・・・?間違いなく毒を噛んだのに、生き残ってしまったのでしょうか?

 目を開けると、見知らぬ天井が見えました。どうやら天蓋付きのベッドで眠っていたようです。
 やっぱり、生き残ってしまったのですね。どちらにしろ死ぬ運命なら、自分で幕引きをしたかったのですが。

 王宮の夜会で毒を噛んだりして、お父様はきっと怒っていらっしゃるわね。

 ベッドから起きあがろうとして、不意に違和感を感じました。
 妙にベッドを大きく感じるのです。おかしいと思いながらもベッドから降りようとして、思ったより高くて、足が届かず転げ落ちてしまいました。

 ヒラヒラとしたレースたっぷりの夜着をから覗く手足に、私は固まります。

 小さい・・・まるで子供みたい。
え?ええ?
 慌てて、鏡台へと駆け寄りました。椅子によじ登り・・・この時点で既に自分が子供の姿であることは理解していました。

 鏡に映っていたのはー
おそらく5歳くらいだと思います。思いますが、これは一体誰ですか?

 私の記憶にある幼少期の姿ではありません。
 艶やかな銀色の髪に、銀の瞳。真っ白な肌に花びらみたいに可憐な唇。
 10人に聞けば10人が美少女だと答えるであろう少女が、驚いたような顔で鏡に映っていました。

「だれなの?」

 私の疑問を紡いだ声は、小鳥が囀っているかと思うほど澄んでいて、やはり記憶の中の私ではありません。

 混乱して、床にぺたりと座り込みます。いえ。床といっても、毛足の長いふかふかの絨毯が敷かれているのですが。

 戸惑っていると、部屋の扉が開き、おそらくメイドだと思うのですが、お仕着せを着た女性が入ってきました。

「まぁ!!姫様、お目覚めになったのですね?すぐに、皇妃様をお呼びして参ります」

 ちょっと待って!
今、姫様と言いましたか?皇妃様をお呼びするって言いましたよね?

 どういうことでしょうか。私は一体、どうなってしまったのでしょうか。

 もしかして、毒のせいで変な夢を見ていたりするのでしょうか?

 少しして、品のいいドレスに身を包んだ女性が部屋に入って来ました。歳の頃は20歳過ぎくらいでしょう。おそらくこの方が皇妃様なのだと思います。

「セレ!良かった。目が覚めたのね!心配したのよ」

「・・・」

「どうしたの?セレ?まだ具合が悪いの?ベッドに戻りましょう?」

 そう言って、皇妃様らしき女性は、私を抱き上げます。

 この少女はセレという名前なのでしょうか。愛称のような気がするのですが。

 それに、何をどう言えばいいのかわかりません。
 いくらなんでも、私は灰色の魔女で、16歳で毒を噛んだんですなんて言えません。おかしくなったのかと思われるでしょうから。





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