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○○の名にかけて!
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「アリア様。あの時はカフェでお助けいただきありがとうございました。お礼も言えずに申し訳ございません」
イザベラ様が深々と頭を下げた。
え、えっと、気にしなくていいのに。やっぱり悪役令嬢?と呼ばれるようになる人でも、公爵家のご令嬢だし、ちゃんとしてるんだなぁ。
ん?悪役令嬢って呼ぶのって、ヒロインだよね?勝手によその婚約者様を奪っといて、そのご令嬢が文句言ってきたら、虐められただの、何だの言うのって、ヒロインだよね?
ヒロイン・・・私じゃん!
いや、いっそそんなのヒドインだよね?ご令嬢正当な抗議じゃん。
うわー。うわー。
我ながら酷い役割に転生したわ。
うん。ごめんなさい。もう2度と悪役令嬢なんて言いません。
「アリア様?」
「あ。いえ。お気になさらないで下さい」
「まぁ。なんてお優しいのかしら。あ、あら?そちらの方は確かあの時ご一緒に助けてくださった方ですわね?」
「アリアの婚約者のイヴァン・ギフトと申します。フィラデルフィア嬢」
イヴァンに気付いたイザベラ様に、イヴァンが恭しく頭を下げる。
王子たちへの牽制なのか、わざとらしくアリアと名前呼びして。
いっつもいっつも、お嬢って呼ぶくせに。アリアお嬢様ですらないくせに!
初めて呼ばれる名前呼びに、私の顔は熟れたトマト並に真っ赤になった。
あ。ちなみにヴァレリア伯爵家の両親はアリアちゃんと呼ぶ。15歳でちゃん呼びはちょっと恥ずかしい。
有莉愛の時は、親にも友達にもありって呼ばれてた。
だから、有莉愛としてもアリアとしても呼び捨ては初めて。
「まぁ!まぁ!まぁ!!アリア様ってばなんてお可愛らしいの。ギフト様。ご安心下さいませ。大切な婚約者様はわたくしたちが悪いムシが寄り付かないように必ずお守りしますわ。ね?皆様」
「ええ!もちろんです」
「悪い虫など近づけさせませんわ」
「私たちが常におそばにおりますわ」
えー、えっと?
なんだかおかしなことになってる気がしないでもない。
攻略対象たちの婚約者であるご令嬢方が、ずっと私と一緒にいる?
悪い虫が近づかないように守る?
公爵家や侯爵家のご令嬢が?
そして、イザベラ様たちご令嬢方。その悪い虫って絶対ご自分の婚約者たちに当て付けてますよね?
でも、イヴァンはイザベラ様たちの言葉にすごく安心したように頷いた。
「ありがとうございます、皆様。うちの可愛い婚約者のことをどうかよろしくお願いします」
「ええ!もちろんですわ。フィラデルフィア公爵家の名にかけて、お守りいたします」
イヴァンとイザベラ様たちは頷きあってるけど、いや、おかしいからね?公爵家の名にかけてって。
名にかけるのは、某高校生で名探偵のお孫さんだけで充分だから!
イザベラ様が深々と頭を下げた。
え、えっと、気にしなくていいのに。やっぱり悪役令嬢?と呼ばれるようになる人でも、公爵家のご令嬢だし、ちゃんとしてるんだなぁ。
ん?悪役令嬢って呼ぶのって、ヒロインだよね?勝手によその婚約者様を奪っといて、そのご令嬢が文句言ってきたら、虐められただの、何だの言うのって、ヒロインだよね?
ヒロイン・・・私じゃん!
いや、いっそそんなのヒドインだよね?ご令嬢正当な抗議じゃん。
うわー。うわー。
我ながら酷い役割に転生したわ。
うん。ごめんなさい。もう2度と悪役令嬢なんて言いません。
「アリア様?」
「あ。いえ。お気になさらないで下さい」
「まぁ。なんてお優しいのかしら。あ、あら?そちらの方は確かあの時ご一緒に助けてくださった方ですわね?」
「アリアの婚約者のイヴァン・ギフトと申します。フィラデルフィア嬢」
イヴァンに気付いたイザベラ様に、イヴァンが恭しく頭を下げる。
王子たちへの牽制なのか、わざとらしくアリアと名前呼びして。
いっつもいっつも、お嬢って呼ぶくせに。アリアお嬢様ですらないくせに!
初めて呼ばれる名前呼びに、私の顔は熟れたトマト並に真っ赤になった。
あ。ちなみにヴァレリア伯爵家の両親はアリアちゃんと呼ぶ。15歳でちゃん呼びはちょっと恥ずかしい。
有莉愛の時は、親にも友達にもありって呼ばれてた。
だから、有莉愛としてもアリアとしても呼び捨ては初めて。
「まぁ!まぁ!まぁ!!アリア様ってばなんてお可愛らしいの。ギフト様。ご安心下さいませ。大切な婚約者様はわたくしたちが悪いムシが寄り付かないように必ずお守りしますわ。ね?皆様」
「ええ!もちろんです」
「悪い虫など近づけさせませんわ」
「私たちが常におそばにおりますわ」
えー、えっと?
なんだかおかしなことになってる気がしないでもない。
攻略対象たちの婚約者であるご令嬢方が、ずっと私と一緒にいる?
悪い虫が近づかないように守る?
公爵家や侯爵家のご令嬢が?
そして、イザベラ様たちご令嬢方。その悪い虫って絶対ご自分の婚約者たちに当て付けてますよね?
でも、イヴァンはイザベラ様たちの言葉にすごく安心したように頷いた。
「ありがとうございます、皆様。うちの可愛い婚約者のことをどうかよろしくお願いします」
「ええ!もちろんですわ。フィラデルフィア公爵家の名にかけて、お守りいたします」
イヴァンとイザベラ様たちは頷きあってるけど、いや、おかしいからね?公爵家の名にかけてって。
名にかけるのは、某高校生で名探偵のお孫さんだけで充分だから!
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