転生先は魔王の妹?〜蕩けるほど愛される〜

みおな

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魔国宰相の観察2《レイ視点》

 5歳から10年間眠り続けたラーミア様が、つい先日目覚められた。
 正直言って、目覚められることはないのではないか。そう思っていた。

 基本的に病になどかからない我々が、病にかかる。それだけでも、命の危険を感じさせる事なのだ。

 そして、病にかかった者たちは、ほとんどが数ヶ月のちに亡くなっていた。
 運良く回復した者は、数日のうちに回復していたから、数年も発熱を繰り返していた上に、昏睡状態になったラーミア様の目覚めはありえないもの、そう思われていた。

 ところが、ラーミア様の目覚めは突然やってきた。

 そして1週間たった今は、普通に歩き、目の前で魔王陛下を叱っている。

 それは、半分は人間の血が入っているからなのか。それとも別の要因があるのか。

 理由はわからない。
いずれ陛下からの指示で調べることになるだろうが、今は素直に陛下の憂いが晴れたことを喜ぶべきだろう。

 陛下と同じ漆黒の髪と、紫色の瞳をされたラーミア様は、5歳から眠り続けていたとは思えない聡明さを滲ませていた。

 むしろ妹姫が喜ぶかと、部屋中を花で埋め尽くす陛下の方が子供のようだ。

 シャーリーからも、ラーミア様の教育係の話を聞いている。

 ラーミア様は、いずれ魔王妃になることが決まっているお方。
 本来ならもっと早くから教育を受けていたはずで、これから受けさせるにしても5歳の精神年齢で大丈夫かと不安だったのだが、どうやらそれは杞憂に終わりそうだ。

 前魔王妃殿下、つまり陛下とラーミア様のお母上も聡明な方だった。

 魔王陛下のことをとても愛されていた方だったが、ジルベルト様のお子様に憂いができる可能性を知り、人間に身を任せる覚悟を決められたのだと、父から聞いた。

 おそらくラーミア様の瞳の色は、その人間の瞳の色なのだろう。
 どの人間が妃殿下を抱いたのかは、魔王陛下以外は知らない。
 どういう選択で、どんな人間が選ばれるのかも不明だ。

 それは、ティターニア王家に限ったことではない。
 それぞれの種族が、それぞれの種族なりの決め方で、血の入れ方を決める。

 私の一族、フェンリルだと、匂いで決まる。その人間の持つ血の匂い。番を選ぶのも匂いだ。
 我が一族は、数代前に人間の血を入れているから、当分は人と交わることはないだろう。

 ティターニア王家もそうだが、当主の血は薄めてはいけないのだ。

 あくまでも同族の、妻になった者が人間と交わり人の血を入れて来る。
 その場合、生まれてくるのは必ず女児と決まっている。未来の当主の妻になるべき女児だ。

 そして、その妻が生む第1子は必ず男児で、その中には人間の血は混じらない。
 人間の血が混じるのは女児のみだ。

 理由などわからない。わかる必要もない。
 我々は魔族。
決して人間にはなり得ない。


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