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令嬢、求婚をされる。
「皇帝陛下にご挨拶申し上げます」
執務室に入り、ソファーを勧められたわたくしは、ラルク様にカーテシーをしてご挨拶申し上げました。
登城命令を出されましたもの。
幼馴染ではなく、ちゃんと臣下としてご挨拶申し上げますわ。
「リルローズ、怒っているのか?」
「ホホホ、まさか。わたくしなどが皇帝陛下に怒りなど」
「怒っていないと言うなら、その他人行儀な態度をやめてくれ。俺たちは幼馴染だろう」
「いやですわ、陛下。わたくしたちは幼馴染である前に、皇帝陛下と臣下の侯爵令嬢ですわ。それよりも登城を命じたご用をお話いただけますか?いつまでも母を皇女殿下にお任せしていると、怒りを買いましてよ」
お母様の怒りだけで済めばいいですけど、大叔母様まで出てきたら、陛下太刀打ちできませんわよ。
チラリと従者の方を見ますと、困ったような表情をされています。
ラルク様には退出するように言われていたのでしょうけど、わたくしに止められてものすごく居心地が悪いのでしょうね。
ごめんなさいね?
でも、いくらお相手が皇帝陛下といえど、未婚の男女が部屋に二人きりなんて妙な噂が立っては困りますわ。
そうでなくても、先日変な言いがかりをつけられたばかりですし。
火のないところに煙は立たないと言いますし、また新たに処罰されるようなご令嬢を作りたくないですわ。
「・・・リルローズは、俺を嫌いになったのか?」
「陛下、発言はよくお考えになってからなさってくださいませ。従者の彼が顔色を悪くされていますわ。ごめんなさいね?陛下に他意はないのよ。わたくしと陛下は幼い頃に少し共に過ごしたことがあるから、陛下はその頃の感覚が抜けておられないのだと思うわ」
だから、要らぬ火種を作らないでいただきたいわ。
「・・・どれだけ鈍感なんだ」
「あんなにお美しいのに・・・いや、お美しく気高いからこその欠点は逆に好感度が・・・」
ラルク様も従者の方も、何をブツブツおっしゃっているのかしら?
小声すぎて聞こえませんわ。
「何ですの?はっきりとおっしゃってくださいませ」
「ハァ。分かった。はっきり言おう。リルローズ・サンダルフォン侯爵令嬢、俺の妻になってくれ」
「は?」
間抜けな声が出てしまいましたわ。
いえ、だって、今ラルク様は何ておっしゃいました?
妻?
ツマ?
投馬?
玉?
いえ、俺のとおっしゃったから、爪?
「ごめんなさい、聞き取れませんでしたわ。もう一度お聞きしても?」
「何度でも言おう。俺の妻になってくれ」
やっぱり妻でしたわ!
どう言うことですの?婚約者をすっ飛ばして妻って!
執務室に入り、ソファーを勧められたわたくしは、ラルク様にカーテシーをしてご挨拶申し上げました。
登城命令を出されましたもの。
幼馴染ではなく、ちゃんと臣下としてご挨拶申し上げますわ。
「リルローズ、怒っているのか?」
「ホホホ、まさか。わたくしなどが皇帝陛下に怒りなど」
「怒っていないと言うなら、その他人行儀な態度をやめてくれ。俺たちは幼馴染だろう」
「いやですわ、陛下。わたくしたちは幼馴染である前に、皇帝陛下と臣下の侯爵令嬢ですわ。それよりも登城を命じたご用をお話いただけますか?いつまでも母を皇女殿下にお任せしていると、怒りを買いましてよ」
お母様の怒りだけで済めばいいですけど、大叔母様まで出てきたら、陛下太刀打ちできませんわよ。
チラリと従者の方を見ますと、困ったような表情をされています。
ラルク様には退出するように言われていたのでしょうけど、わたくしに止められてものすごく居心地が悪いのでしょうね。
ごめんなさいね?
でも、いくらお相手が皇帝陛下といえど、未婚の男女が部屋に二人きりなんて妙な噂が立っては困りますわ。
そうでなくても、先日変な言いがかりをつけられたばかりですし。
火のないところに煙は立たないと言いますし、また新たに処罰されるようなご令嬢を作りたくないですわ。
「・・・リルローズは、俺を嫌いになったのか?」
「陛下、発言はよくお考えになってからなさってくださいませ。従者の彼が顔色を悪くされていますわ。ごめんなさいね?陛下に他意はないのよ。わたくしと陛下は幼い頃に少し共に過ごしたことがあるから、陛下はその頃の感覚が抜けておられないのだと思うわ」
だから、要らぬ火種を作らないでいただきたいわ。
「・・・どれだけ鈍感なんだ」
「あんなにお美しいのに・・・いや、お美しく気高いからこその欠点は逆に好感度が・・・」
ラルク様も従者の方も、何をブツブツおっしゃっているのかしら?
小声すぎて聞こえませんわ。
「何ですの?はっきりとおっしゃってくださいませ」
「ハァ。分かった。はっきり言おう。リルローズ・サンダルフォン侯爵令嬢、俺の妻になってくれ」
「は?」
間抜けな声が出てしまいましたわ。
いえ、だって、今ラルク様は何ておっしゃいました?
妻?
ツマ?
投馬?
玉?
いえ、俺のとおっしゃったから、爪?
「ごめんなさい、聞き取れませんでしたわ。もう一度お聞きしても?」
「何度でも言おう。俺の妻になってくれ」
やっぱり妻でしたわ!
どう言うことですの?婚約者をすっ飛ばして妻って!
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