はい!喜んで!

みおな

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番外編

王子たちとの交流

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「これ、好きなのだろう」

 キアムは、自分の前に置かれた苺のケーキをシリルの方へと差し出した。

 あの日、シリルとリエルに求婚したキアムとロイドは、そのままイグリット帝国に滞在していた。

 無事に双子から了承を得て、婚約を打診。

 母国の両親の署名をもらうために、侍従を帰国させているところである。

 その間、自分たちは婚約者となった双子の姫君たちと友好を深めるために毎日お茶の時間を共にしていた。

「キアム様。私はひとつで十分です。ご自分の分はご自分でお食べになって下さい」

「甘いものは別腹とか言うだろう」

「太ります」

「シリルは少し太った方がいい」

 氷結の貴公子と氷姫は、淡々とした言葉の応酬をしている。

 一方、もう一人の氷姫は、ニコニコとした婚約者にため息を吐いた。

「ロイド様、私は幼子ではありません。ひとりで食べられます」

「ええーっ。可愛い婚約者にアーンしたいしされたいんだけど」

「絶対に嫌です」

 無表情のリエルに、フォークの先にケーキを乗せて差し出すロイド。

 その様子を少し離れた場所から見守る侍女たちは、言葉ほどシリルとリエルがキアムとロイドを嫌がっていないことを微笑ましく思っていた。

 いずれはお嫁に行ってしまう双子の姫様。

 殿下方が言うように、この国の家族に嫁いでもらいたいとは侍女たちは思っていなかった。

 彼女たちは皇女殿下で、自分たちはただの侍女。

 この国の貴族に嫁いだとしても、そう度々里帰りはしないだろうし、侍女である自分たちが会えるとも限らない。

 同じ会えない環境ならば、姫様たちがお慕いする相手と結ばれて欲しいし、幸せになって欲しい。

 そして、少々癖はありそうだが、姫様たちと並んでも遜色のない王子殿下たち。

 侍女たちが応援しないわけがない。

「ロイド。あまり、義兄上たちを刺激するな」

「ああ。ごめん、ごめん」

 キアムに言われて、ロイドはリエルに差し出していたフォークを手元に戻した。

 ルアンもルインも、シリルとリエルが望み、両親が認めたキアムとロイドを認めていないわけではない。

 わけではないが、可愛い妹たちを取られるジレンマはどうしようもない。

 今も、婚約者がそばにいなければあのお茶会に割り込みたいくらいだ。

「本当に困った方だこと。シリル様とリエル様が幸せになるのですから、ちゃんと祝福なさって下さいませ」

「分かってる。分かってるけど、もっとそばにいるものだと思ってたんだ」

「まだしばらくはいらっしゃいますよ。ルアン様とルイン様のご結婚が終わってからですからね」

 ナスターシャに注意されて俯くルアンに、カトリーヌが言葉を繋ぐ。

 自分たちの結婚式が終わってから。

 それは理解しているが、では足りない。

 あと四、五年は手放したくない。

 シスコンな、兄たちであった。
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