はい!喜んで!

みおな

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リエルとシリル姉妹の場合

婚約破棄案件

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 再び、双子はイグリット帝国の治める大陸から別大陸へと向かった。

 ナスターシャ王女もカトリーヌ公爵令嬢も一旦自国に戻っていて、再びイグリット帝国にやってくるのは半年後から始まる皇太子妃教育と皇子妃教育の時と決まっていた。

 何故か双子の呪い解呪案件は、二人同時に行われ、ルアンもルインも寂しいと思いつつも二人を送り出した。

「まぁ!ご覧になって。オロッカス様ってばあの男爵令嬢とあのようになさって!」

「不敬と言われるかもしれませんけど、王族だなんて世も末ですわ」

「イグリット様という婚約者がいながら!陛下たちも陛下たちですわ!ご自分の息子くらいちゃんと叱るべきでしてよ!」

 今日も婚約者が、見た目の可愛らしい男爵令嬢と仲睦まじく寄り添って、中庭のベンチでお弁当を「あーん」している。

 その様子を見た周囲の令嬢たちが抗議の声を上げ、令息たちは眉をしかめている。

 その様子を相変わらずの無表情で、シリルは見ていた。

 一方、リエルの方はというと・・・

「リエル・イグリット!平民だからとキャラを虐めたこと、許しがたし!お前との婚約を破棄する!二度と顔も見たくない!この国から出て行け!」

 婚約破棄案件も佳境で、お馬鹿な公爵令息が鼻の穴を膨らませてドヤ顔でリエルに冤罪をかけ、その令息の腕にはしたなく胸を押し付けている平民の小娘が怯えたフリをしながらも勝ち誇った顔でリエルを見ていた。

 リエルはもちろん周囲も、心底呆れた顔で、公爵令息を見ているのだが令息は全く気付かない。

 そもそも、たかが公爵令息が勝手に婚約を破棄し、国外追放を告げるとか有り得ないのだが、自分に酔っている公爵令息はそれに気付かない。

「私はその、キャラさんでしたかしら?今日お会いしましたけど、どうやって虐めたとおっしゃいますの?」

「しらを切るなっ!」

「・・・はぁ。分かりましたわ、婚約破棄ですわね。喜ん・・・謹んでお受けしますわ」

「喜んでだとっ!ふざけるな!」

 思わず喜んでと言いかけて言い直したが、聞こえていたようだ。

 激昂する公爵令息に、リエルはため息を吐く。

 いい加減、この毎回毎回こっちに冤罪をかけてくる婚約破棄案件に飽き飽きしていたのだ。

 これで片付くと思ったら思わず、言ってしまったのである。
 
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