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悪役令嬢回避編
悪役令嬢の従者
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「さ、僕の愛しいお姫様。お手をどうぞ」
馬車から降りるために、手を差し出したマリウス殿下に、ピクピクと顔が引きつる気がする。
えーと、こんなだったのかな?プロローグって。
確かに、ヒロインに出会う前は、婚約者としてマリウス殿下はエスコートとかしてくれてるって設定だった。
だけど、こんな激甘な台詞、ライトノベルでは読んだことないんだけど?
乙女ゲームの中で、ヒロインに対してならあった。優しい眼差しで、ヒロインを見つめてた。
ま、まぁ、いいか。
どうせこの後、ヒロインと出会えば恋に落ちるんだし。
「殿下!殿下は新入生挨拶がありますよね?姉上のエスコートは僕がしますから、どうぞご心配なく!」
マリウス殿下に重ねられた手を、ひょいと奪ったのは、弟のクラン。
実は優秀なクランは、1年早く入学することになっていた。
うん。多分、ご都合主義ってヤツだわ。
だって、攻略対象が1人だけ1年遅れるとか、おかしいもん。
でも、優秀で早く入学できるなら、アニエスだって、それこそマリウス殿下だって早く入学できたはず。
ご都合主義にも程があるんじゃない?
まぁ、アニエスはマリウス殿下のことが好きだから、彼と同時期に入学したかったんだろうけど。
「クラン。アニエスは僕の婚約者ですよ?」
「殿下はお忙しいでしょう?どうぞ、行かれてください。姉上は弟の僕がちゃんとエスコートしますので」
「愛しい婚約者をエスコート出来ないほど、忙しくなんてありませんよ」
笑顔で言い合う2人のせいで、何か注目を浴びてるような・・・
めんどくさいな、本当。
大体、エスコートなんてされなくても、会場くらい行けるし。
「お2人とも、お嬢様が困っていらっしゃいます。会場へは、私がお連れいたしますので、お2人もお急ぎ下さい」
そんな中、さっさと私の手を取って、会場に進むのは、私専属の侍従。
私より5歳年上の彼は、私が転生した後に私自ら見つけてきた侍従だ。
どうにかラノベと違う結末を迎えるために、クランやマリウス殿下との交流をしていたけど、それでもヒロインが現れたらという不安は消えなかった。
そんな時、たまたま出かけた街で、浮浪児?のような彼を見つけたのだ。
路地裏に座り込んだ彼を見た時、今までに読んだ数々のライトノベルが頭の中を駆け巡った。
イレギュラーな存在を手に入れたなら、もしかしたら結末を変えられるかもしれない。そう思って、彼に声をかけたのだ。
「あなた、私の従者にならない?」
ポカンとしていた顔が、今でも笑えるわ。でも、それもそうよね。10歳足らずの、いかにも良いとこのお嬢様が、浮浪児に声をかけて、しかも従者だもの。
だけど、彼は頷いた。
その日から、カイは私の専属侍従だ。
馬車から降りるために、手を差し出したマリウス殿下に、ピクピクと顔が引きつる気がする。
えーと、こんなだったのかな?プロローグって。
確かに、ヒロインに出会う前は、婚約者としてマリウス殿下はエスコートとかしてくれてるって設定だった。
だけど、こんな激甘な台詞、ライトノベルでは読んだことないんだけど?
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ま、まぁ、いいか。
どうせこの後、ヒロインと出会えば恋に落ちるんだし。
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うん。多分、ご都合主義ってヤツだわ。
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でも、優秀で早く入学できるなら、アニエスだって、それこそマリウス殿下だって早く入学できたはず。
ご都合主義にも程があるんじゃない?
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「クラン。アニエスは僕の婚約者ですよ?」
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「愛しい婚約者をエスコート出来ないほど、忙しくなんてありませんよ」
笑顔で言い合う2人のせいで、何か注目を浴びてるような・・・
めんどくさいな、本当。
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「お2人とも、お嬢様が困っていらっしゃいます。会場へは、私がお連れいたしますので、お2人もお急ぎ下さい」
そんな中、さっさと私の手を取って、会場に進むのは、私専属の侍従。
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小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
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