21 / 128
悪役令嬢回避編
悪役令嬢の従者2
もちろん、クランは大反対した。
公爵令嬢たる私の側に、身元のわからない人間を置くのは反対だって。
まぁ、あながち間違ってはいない。
ラノベの中では、何故か拾った浮浪児を従者とかにしてたけど、普通に考えたらあり得ないことだ。
だけど、お父様とお母様が、何故か許可を出した。
「アニエスが決めたのなら、望み通りにする」
そう言ってくれたお父様たちには、感謝しかない。
クランは随分とごねてたけど、私が「認めてくれないなら、家を出て修道院に行く」と言ったら、泣く泣く諦めた。
ああ。マリウス殿下には、もちろん事後報告だ。当然、街で拾ったなどとは言っていない。
クランにも口止めしてある。
話したら2度とクランと口をきかないと言ったら、ものすごい勢いで頷いていたから、話すことはないだろう。
拾ってからしばらくの間は、執事長たちに付いて学んでいたのもあって、顔合わせをしたのは、1ヶ月たってからだった。
マリウス殿下は、私の専属が男だということが不満そうだった。
しかも、カイは中々のイケメンさんだ。
濡羽色の髪に漆黒の瞳。
前世で見慣れた、馴染み深い色合いの彼は、長身で、細身で、それでも肉食獣の様なしなやかさを感じさせた。
婚約者の常に側にいるイケメン。普通に考えて嫌だと思う。
だけど、公爵であるお父様が認めたことを、王太子とはいえ口を挟めるわけもなく、カイの存在を認めるしかなかったみたい。
そりゃそうだ。
父親である公爵が決めた、公爵家の使用人である。
婚約者とはいえ、文句を言える立場ではない。
カイは、マリウス殿下やクランがエスコートしている時は、手出ししてこない。
荷物を持って、数歩後ろに控えている。
だけど、2人がこんなふうに言い合ったり、私が困ったような顔をしている時は、さっさと私を連れて行く。
5歳も年上なだけに、カイは大人だ。
対応もそうだし、雰囲気が異論を唱えさせない。
たった1ヶ月で、侍従としてずっと昔からいるような、そんな振る舞いができるのだ。
もしかしたら、貴族の生まれなのかもしれない。
貴族だって、ずっと順風満帆に暮らしていけるわけではない。
家が没落することだってある。もしかしたら、カイの家は没落したのかもと思う。
そんなことは聞けないし、お父様たちからも何も聞いてないけど、完璧な所作の出来る「出来る侍従」であるカイに、最近はマリウス殿下もクランも、勝てないようである。
今も、大人しく私の後ろからついて来ている。
というか、殿下は本当に新入生挨拶があるよね?
大事なヒロインとのイベントなんだから、さっさと行ったほうがいいよ?
公爵令嬢たる私の側に、身元のわからない人間を置くのは反対だって。
まぁ、あながち間違ってはいない。
ラノベの中では、何故か拾った浮浪児を従者とかにしてたけど、普通に考えたらあり得ないことだ。
だけど、お父様とお母様が、何故か許可を出した。
「アニエスが決めたのなら、望み通りにする」
そう言ってくれたお父様たちには、感謝しかない。
クランは随分とごねてたけど、私が「認めてくれないなら、家を出て修道院に行く」と言ったら、泣く泣く諦めた。
ああ。マリウス殿下には、もちろん事後報告だ。当然、街で拾ったなどとは言っていない。
クランにも口止めしてある。
話したら2度とクランと口をきかないと言ったら、ものすごい勢いで頷いていたから、話すことはないだろう。
拾ってからしばらくの間は、執事長たちに付いて学んでいたのもあって、顔合わせをしたのは、1ヶ月たってからだった。
マリウス殿下は、私の専属が男だということが不満そうだった。
しかも、カイは中々のイケメンさんだ。
濡羽色の髪に漆黒の瞳。
前世で見慣れた、馴染み深い色合いの彼は、長身で、細身で、それでも肉食獣の様なしなやかさを感じさせた。
婚約者の常に側にいるイケメン。普通に考えて嫌だと思う。
だけど、公爵であるお父様が認めたことを、王太子とはいえ口を挟めるわけもなく、カイの存在を認めるしかなかったみたい。
そりゃそうだ。
父親である公爵が決めた、公爵家の使用人である。
婚約者とはいえ、文句を言える立場ではない。
カイは、マリウス殿下やクランがエスコートしている時は、手出ししてこない。
荷物を持って、数歩後ろに控えている。
だけど、2人がこんなふうに言い合ったり、私が困ったような顔をしている時は、さっさと私を連れて行く。
5歳も年上なだけに、カイは大人だ。
対応もそうだし、雰囲気が異論を唱えさせない。
たった1ヶ月で、侍従としてずっと昔からいるような、そんな振る舞いができるのだ。
もしかしたら、貴族の生まれなのかもしれない。
貴族だって、ずっと順風満帆に暮らしていけるわけではない。
家が没落することだってある。もしかしたら、カイの家は没落したのかもと思う。
そんなことは聞けないし、お父様たちからも何も聞いてないけど、完璧な所作の出来る「出来る侍従」であるカイに、最近はマリウス殿下もクランも、勝てないようである。
今も、大人しく私の後ろからついて来ている。
というか、殿下は本当に新入生挨拶があるよね?
大事なヒロインとのイベントなんだから、さっさと行ったほうがいいよ?
あなたにおすすめの小説
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
他小説サイトにも投稿しています。
虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
【完結】愛してました、たぶん
たろ
恋愛
「愛してる」
「わたしも貴方を愛しているわ」
・・・・・
「もう少し我慢してくれ。シャノンとは別れるつもりだ」
「いつまで待っていればいいの?」
二人は、人影の少ない庭園のベンチで抱き合いながら、激しいキスをしていた。
木陰から隠れて覗いていたのは男の妻であるシャノン。
抱き合っていた女性アイリスは、シャノンの幼馴染で幼少期からお互いの家を行き来するぐらい仲の良い親友だった。
夫のラウルとシャノンは、政略結婚ではあったが、穏やかに新婚生活を過ごしていたつもりだった。
そんな二人が夜会の最中に、人気の少ない庭園で抱き合っていたのだ。
大切な二人を失って邸を出て行くことにしたシャノンはみんなに支えられてなんとか頑張って生きていく予定。
「愛してる」
「わたしも貴方を愛しているわ」
・・・・・
「もう少し我慢してくれ。シャノンとは別れるつもりだ」
「いつまで待っていればいいの?」
二人は、人影の少ない庭園のベンチで抱き合いながら、激しいキスをしていた。
木陰から隠れて覗いていたのは男の妻であるシャノン。
抱き合っていた女性アイリスは、シャノンの幼馴染で幼少期からお互いの家を行き来するぐらい仲の良い親友だった。
夫のラウルとシャノンは、政略結婚ではあったが、穏やかに新婚生活を過ごしていたつもりだった。
そんな二人が夜会の最中に、人気の少ない庭園で抱き合っていたのだ。
大切な二人を失って邸を出て行くことにしたシャノンはみんなに支えられてなんとか頑張って生きていく予定。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?
魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。
彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。
国外追放の系に処された。
そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。
新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。
しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。
夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。
ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。
そして学校を卒業したら大陸中を巡る!
そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、
鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……?
「君を愛している」
一体なにがどうなってるの!?
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚
きぬがやあきら
恋愛
「私に愛まで望むな。褒賞に王子を求めておいて、強欲が過ぎると言っている」
新婚初夜に訪れた寝室で、レオノールはクラウディオ王子に白い結婚を宣言される。
それもそのはず。
2人の間に愛はないーーどころか、この結婚はレオノールが魔王討伐の褒美にと国王に要求したものだった。
でも、王子を望んだレオノールにもそれなりの理由がある。
美しく気高いクラウディオ王子を欲しいと願った気持ちは本物だ。
だからいくら冷遇されようが、嫌がらせを受けようが心は揺るがない。
どこまでも逞しく、軽薄そうでいて賢い。どこか憎めない魅力を持ったレオノールに、やがてクラウディオの心は……。
すれ違い、拗れる2人に愛は生まれるのか?
焦ったい恋と陰謀+バトルのラブファンタジー。