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悪役令嬢回避編
イベント
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ライトノベル『青の箱庭』に書かれていたイベントは、全部で3つ。
乙女ゲームの方では、各攻略対象ごとに3つずつあったけど、ラノベ版は殿下とくっつくのが決まっていたから、3つしかなかった。
まずは出会いイベント。
あれで成功かどうかはわからないけど、とりあえずは出会ったわけだし良しとしよう。
次にあるのが、街デートイベント。
視察で街に訪れた殿下は、偶然マリアと出会う。
そして2人で街を散策し、お互いがお互いを思っていることを知る。
階段を踏み外して転びそうになったマリアを助けた殿下は、マリアのことが大切なことを痛感する。
そして、断罪イベント。
マリアをいじめる存在を婚約者のアニエスだと信じ込んでいる殿下は、アニエスの言葉も聞かずに、婚約破棄、そして国外追放を告げる。
そして、アニエスが自害した後、それがアニエスの取り巻きたちの仕業だとわかるが、リリウム公爵家は王家を許さず、最終的に、殿下とマリアは王宮の役人たちの手にかかる。
という感じなのだが、ここはライトノベルの中ではない。
ラノベなら、それから1ヶ月後とかで時間が経つけど、私たちは1日1日を過ごしていかなければならない。
つまりは、私の記憶にない出来事が起きるわけで、今目の前で起きていることも、そのうちの1つだろう。
おかしい。
どうして、私の隣の席を、殿下とクラン、そしてマリアが奪い合っているんだろうか?
いやいやいや。そこは、ヒロインであるマリアの隣を奪い合うべきでしょ?
というかもういっそ、私を除いて3人で座れば?
「あれ?何やってんの?アニエス嬢、争奪戦?」
どう座るべきか迷ってたら、レイノルドが楽しそうな声をあげてきた。
ちっ。面白がってるわね。
そういう態度取ってたら、巻き込むわよ。
「あら?ノックス様。わたくしなどを争奪だなんて、何をおっしゃっているのかしら。そうですわ。わたくし、ノックス様のお隣に座らせていただこうかしら」
「なっ・・・あ、姉上」
「クランは、マリア様のお隣に座らせていただきなさい」
「アニエス。僕は君のと・・・」
「マリ様もマリア様のお隣に。さ。ノックス様。席につきましょうか」
殿下が何か言いかけてたけど、ここでその話を聞いてると、いつまでたっても席につけないので、無視することにする。
レイノルドは、そんな殿下やクランを見て、ニヤニヤと笑っている。
「光栄だな、アニエス嬢の隣に座れるなんて。いっつも殿下かクラン君がべったりだからさ」
「まぁ。お上手ですこと。ノックス様は心にもないことをおっしゃるのが、お得意ですわね」
「心外だなぁ。僕は結構、アニエス嬢のこと好きなんだけど?」
それが、心にもないことだっての。
お世辞ですらないよね?からかって遊んでるだけのくせして。
やれやれだわ。
乙女ゲームの方では、各攻略対象ごとに3つずつあったけど、ラノベ版は殿下とくっつくのが決まっていたから、3つしかなかった。
まずは出会いイベント。
あれで成功かどうかはわからないけど、とりあえずは出会ったわけだし良しとしよう。
次にあるのが、街デートイベント。
視察で街に訪れた殿下は、偶然マリアと出会う。
そして2人で街を散策し、お互いがお互いを思っていることを知る。
階段を踏み外して転びそうになったマリアを助けた殿下は、マリアのことが大切なことを痛感する。
そして、断罪イベント。
マリアをいじめる存在を婚約者のアニエスだと信じ込んでいる殿下は、アニエスの言葉も聞かずに、婚約破棄、そして国外追放を告げる。
そして、アニエスが自害した後、それがアニエスの取り巻きたちの仕業だとわかるが、リリウム公爵家は王家を許さず、最終的に、殿下とマリアは王宮の役人たちの手にかかる。
という感じなのだが、ここはライトノベルの中ではない。
ラノベなら、それから1ヶ月後とかで時間が経つけど、私たちは1日1日を過ごしていかなければならない。
つまりは、私の記憶にない出来事が起きるわけで、今目の前で起きていることも、そのうちの1つだろう。
おかしい。
どうして、私の隣の席を、殿下とクラン、そしてマリアが奪い合っているんだろうか?
いやいやいや。そこは、ヒロインであるマリアの隣を奪い合うべきでしょ?
というかもういっそ、私を除いて3人で座れば?
「あれ?何やってんの?アニエス嬢、争奪戦?」
どう座るべきか迷ってたら、レイノルドが楽しそうな声をあげてきた。
ちっ。面白がってるわね。
そういう態度取ってたら、巻き込むわよ。
「あら?ノックス様。わたくしなどを争奪だなんて、何をおっしゃっているのかしら。そうですわ。わたくし、ノックス様のお隣に座らせていただこうかしら」
「なっ・・・あ、姉上」
「クランは、マリア様のお隣に座らせていただきなさい」
「アニエス。僕は君のと・・・」
「マリ様もマリア様のお隣に。さ。ノックス様。席につきましょうか」
殿下が何か言いかけてたけど、ここでその話を聞いてると、いつまでたっても席につけないので、無視することにする。
レイノルドは、そんな殿下やクランを見て、ニヤニヤと笑っている。
「光栄だな、アニエス嬢の隣に座れるなんて。いっつも殿下かクラン君がべったりだからさ」
「まぁ。お上手ですこと。ノックス様は心にもないことをおっしゃるのが、お得意ですわね」
「心外だなぁ。僕は結構、アニエス嬢のこと好きなんだけど?」
それが、心にもないことだっての。
お世辞ですらないよね?からかって遊んでるだけのくせして。
やれやれだわ。
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