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聖女覚醒編
街デート《マリウス視点》
アニエスに、カイとマリア嬢の初デートをこっそり見守ろうと話した。
侍従であるカイのことも、マリア嬢のことも大切に思っているアニエスは、案の定ふたつ返事で了承してきた。
本当に、僕の婚約者は可愛い。
僕がどうしてそんなことを提案したのかなんて、考えもしないんだろうな。
王太子である僕も、公爵令嬢であるアニエスも、自由に街歩きをできる立場ではない。
それに、護衛を引き連れての街歩きなんて、目立つ事この上ないから、アニエスはあまり気がすすまないみたいだ。
もちろん今回だって、護衛抜きというわけにはいかない。
だけど、こっそりついて行く前提だから、護衛も少数にしてある。
アニエスは、マリア嬢たちの初デートを見守るという大義の前には、我慢ができなかったようだ。
僕としては、アニエスの侍従であるカイがマリア嬢と親しくなることは、好ましいと思っている。
カイは、アニエスがいつの間にか連れてきた侍従だ。
セリオたちと同じ孤児だった彼を、公爵家の、しかも王太子の婚約者の侍従にするなんて、本当は反対したかった。
あの頃のアニエスは、僕のことを全く意識してくれていなくて、だから5歳年上で、僕よりも大人で、容姿も護衛としての腕も優れているカイに、アニエスの心を奪われるんじゃないかって、不安だった。
だけど、公爵が決めたことを、王太子とはいえ僕がどうこう言うことは出来ない。
アニエスは確かに僕の婚約者だけど、カイは公爵家の使用人として雇われたのだから。
今は、アニエスは僕のことを好きでいてくれているし、上手くいっていると思うけど、年を重ねるごとに男の僕から見ても『いい男』になっていくカイに、恋人がいない不安は、どうしてもあった。
だから、カイがマリア嬢のことを好きだというのなら、大賛成だ。
侍従であるカイも、アニエスが大好きな友人であるマリア嬢も、適度な距離へと引き離すことが出来る。
アニエスを僕だけの側に置ける。
僕の婚約者は、たくさんの人に好かれているから、心が通じ合ったと思っても、僕は安心することができない。
いくらなんでも、侍従や同性の友人が側にいることを拒むことはできなかったけれど。
僕が王太子でなければ。
アニエスが貴族の令嬢でなければ。
もっと多くのところに2人で出かけたり、手を繋いだり、触れ合ったり出来るだろう。
だけど、いくら婚約者とはいえ、婚姻前に過度な接触をすれば、僕ではなくアニエスが、はしたないと非難される。
だから、1度くらい手を繋いで街を歩いて、平民のようなデートをしてみたかった。
きっとアニエスは、そんなことを思ってもいないんだろうな。
侍従であるカイのことも、マリア嬢のことも大切に思っているアニエスは、案の定ふたつ返事で了承してきた。
本当に、僕の婚約者は可愛い。
僕がどうしてそんなことを提案したのかなんて、考えもしないんだろうな。
王太子である僕も、公爵令嬢であるアニエスも、自由に街歩きをできる立場ではない。
それに、護衛を引き連れての街歩きなんて、目立つ事この上ないから、アニエスはあまり気がすすまないみたいだ。
もちろん今回だって、護衛抜きというわけにはいかない。
だけど、こっそりついて行く前提だから、護衛も少数にしてある。
アニエスは、マリア嬢たちの初デートを見守るという大義の前には、我慢ができなかったようだ。
僕としては、アニエスの侍従であるカイがマリア嬢と親しくなることは、好ましいと思っている。
カイは、アニエスがいつの間にか連れてきた侍従だ。
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あの頃のアニエスは、僕のことを全く意識してくれていなくて、だから5歳年上で、僕よりも大人で、容姿も護衛としての腕も優れているカイに、アニエスの心を奪われるんじゃないかって、不安だった。
だけど、公爵が決めたことを、王太子とはいえ僕がどうこう言うことは出来ない。
アニエスは確かに僕の婚約者だけど、カイは公爵家の使用人として雇われたのだから。
今は、アニエスは僕のことを好きでいてくれているし、上手くいっていると思うけど、年を重ねるごとに男の僕から見ても『いい男』になっていくカイに、恋人がいない不安は、どうしてもあった。
だから、カイがマリア嬢のことを好きだというのなら、大賛成だ。
侍従であるカイも、アニエスが大好きな友人であるマリア嬢も、適度な距離へと引き離すことが出来る。
アニエスを僕だけの側に置ける。
僕の婚約者は、たくさんの人に好かれているから、心が通じ合ったと思っても、僕は安心することができない。
いくらなんでも、侍従や同性の友人が側にいることを拒むことはできなかったけれど。
僕が王太子でなければ。
アニエスが貴族の令嬢でなければ。
もっと多くのところに2人で出かけたり、手を繋いだり、触れ合ったり出来るだろう。
だけど、いくら婚約者とはいえ、婚姻前に過度な接触をすれば、僕ではなくアニエスが、はしたないと非難される。
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きっとアニエスは、そんなことを思ってもいないんだろうな。
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