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聖女覚醒編
初デートの行方は
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マリウスと共に、マリアとカイの後をつける。
公爵令嬢としてはしたないことをしている自覚はあるが、どうしてもついて行きたい衝動を抑えることができなかった。
私、こんなに出歯亀だったかなぁ。
いや。アニエスがそんな性格でないのは分かってるから!怒んないでね。
アニエスの性格だと思ってるわけでなく、こんなことする性格だったのかと落ち込んでるだけだから!
そんな私に、マリウスは相変わらず優しい。
「どうしたの?アニエス。あの雑貨屋、アニエスが好きそうだよ。カイたちのことは見失わないように護衛が見ててくれるから、入ってみようか?」
「ありがとうございます、マリ様。少しだけ見てもいいですか?」
「もちろん。欲しいものがあれば買おうね」
マリウスってば、本当に優しい。
どう見ても平民には見えないけど、せめて、いいとこの商家の子供に見えるようにと、マリウスは白のシャツに黒のパンツ姿。私は青地に白のレースの付いたワンピース姿である。
そして、エスコートではなく、恋人に見えるようにと、手を繋いでいるのがすごく恥ずかしい。
手を引かれて、雑貨屋に入る。
カイたちは、少し先のカフェに入ったようだ。
私も少し、喉乾いたかも。
「アニエス。店の奥に小さいけど、カフェスペースがあるよ。アニエスの好きな紅茶を頼もうか」
「はいっ」
どうして、マリウスってば、何も言わなくても分かってくれるのかな。
それがすごく嬉しくて、なんだかくすぐったい。
結局、マリアたちがお茶をしている間、私とマリウスも雑貨屋でお茶をし、私好みの猫の置物と、マリウスには綺麗な硝子のペーパーウェイトを買った。
なんだか、とても楽しい。
マリアの初デートを見守るつもりだったはずなのに、マリウスとこうやって普通の恋人同士みたいに出かけることなんてないから、楽しくて仕方ない。
私、目的を忘れてない?
マリアとカイの初デートが、上手くいくように見守るはずだったのに。
「大丈夫だよ、アニエス。カイもマリア嬢も楽しそうだから」
「・・・どうして、考えてることが分かりましたの?」
「ふふっ。何故だろうね?きっと、僕がアニエスのことを好きで好きで、どうしようもないくらい大好きだからじゃないかな?」
「!!」
前からマリウスは、私には甘かったけど、最近はもうこれでもかってくらい砂糖多めだと思う。
どうしよう。これ以上甘くなったら、私が死ぬ。過剰摂取で死ぬ。
真っ赤になった私の手を、マリウスはクスクスと笑いながら引いた。
「さ。カイたちが動き出したから、僕たちも行こうか」
私は俯いたまま、こくりと頷いた。
公爵令嬢としてはしたないことをしている自覚はあるが、どうしてもついて行きたい衝動を抑えることができなかった。
私、こんなに出歯亀だったかなぁ。
いや。アニエスがそんな性格でないのは分かってるから!怒んないでね。
アニエスの性格だと思ってるわけでなく、こんなことする性格だったのかと落ち込んでるだけだから!
そんな私に、マリウスは相変わらず優しい。
「どうしたの?アニエス。あの雑貨屋、アニエスが好きそうだよ。カイたちのことは見失わないように護衛が見ててくれるから、入ってみようか?」
「ありがとうございます、マリ様。少しだけ見てもいいですか?」
「もちろん。欲しいものがあれば買おうね」
マリウスってば、本当に優しい。
どう見ても平民には見えないけど、せめて、いいとこの商家の子供に見えるようにと、マリウスは白のシャツに黒のパンツ姿。私は青地に白のレースの付いたワンピース姿である。
そして、エスコートではなく、恋人に見えるようにと、手を繋いでいるのがすごく恥ずかしい。
手を引かれて、雑貨屋に入る。
カイたちは、少し先のカフェに入ったようだ。
私も少し、喉乾いたかも。
「アニエス。店の奥に小さいけど、カフェスペースがあるよ。アニエスの好きな紅茶を頼もうか」
「はいっ」
どうして、マリウスってば、何も言わなくても分かってくれるのかな。
それがすごく嬉しくて、なんだかくすぐったい。
結局、マリアたちがお茶をしている間、私とマリウスも雑貨屋でお茶をし、私好みの猫の置物と、マリウスには綺麗な硝子のペーパーウェイトを買った。
なんだか、とても楽しい。
マリアの初デートを見守るつもりだったはずなのに、マリウスとこうやって普通の恋人同士みたいに出かけることなんてないから、楽しくて仕方ない。
私、目的を忘れてない?
マリアとカイの初デートが、上手くいくように見守るはずだったのに。
「大丈夫だよ、アニエス。カイもマリア嬢も楽しそうだから」
「・・・どうして、考えてることが分かりましたの?」
「ふふっ。何故だろうね?きっと、僕がアニエスのことを好きで好きで、どうしようもないくらい大好きだからじゃないかな?」
「!!」
前からマリウスは、私には甘かったけど、最近はもうこれでもかってくらい砂糖多めだと思う。
どうしよう。これ以上甘くなったら、私が死ぬ。過剰摂取で死ぬ。
真っ赤になった私の手を、マリウスはクスクスと笑いながら引いた。
「さ。カイたちが動き出したから、僕たちも行こうか」
私は俯いたまま、こくりと頷いた。
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