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第2王子の困惑2《ラクトウェル視点》
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朝、部屋から出たところで、兄上とバッタリと顔を合わせた。
兄上は王太子としての公務もあるし、なんだか最近忙しそうで、ほとんど顔を合わせたことがなかった。
街でばったりあって以来、気まずくて、だから今も目を逸らしたのは僕の方だった。
兄上は、何も言わずに立ち去って行った。
その後を追いかけて、ふと思いついたように足を止めたのは、兄上の側近のノエル・シュバルツだった。
兄上と同い年の、優秀な男だと噂の人物。
だけど、僕はこの男が苦手だった。
その冷ややかなまでの黒い瞳も、その人を馬鹿にしたような物言いも。
「ラクトウェル殿下には、感謝いたしますよ」
「は?感謝?」
この男が?僕に?
またいつもの、馬鹿にしたようなお小言だと思っていた僕は、馬鹿みたいに聞き返していた。
しまった。
また馬鹿にされる。
「ええ。貴方が婚約者との顔合わせをすっぽかして下さったおかげで、クリストフ王太子殿下は、至宝を手に入れることが出来ました。本当に、感謝申し上げますよ。それでは」
ノエルは自分の言いたいことだけ言うと、さっさと兄上の後を追って行った。
僕が婚約者との顔合わせをすっぽかしたおかげで、兄上が至宝を手に入れた?
あの男はいつもそうだ。
煙に巻くような言い方をする。
だけど、あの皮肉めいた表情が気になった僕は、母上の元に行くことにした。
最近、母上は僕に婚約者がどうとか言わなくなったけど、そういえば婚約者になる予定だった宰相の娘はどうなったんだろう。
「母上。失礼します」
「あら、ラクトウェル。今日は市井に行かなくていいの?」
「・・・っ!」
母上の声は、決して皮肉めいていなかった。
ただ淡々と事実を口にしているだけ。
別に僕に興味がないとか、愛情がないとか、そういうんじゃないと思うのに、何故か胸の中がざわめいた。
「あら?別に叱ってるんじゃないわ。そんな顔をしなくても。むしろ今ではあなたに感謝しているのよ」
また感謝だ。
一体、みんな何を言ってるんだ?
「あなたのおかげで、一番手に入れたかったものを、最高の形で手に入れることが出来たわ。褒美として、そうね、年齢的にもすぐには無理だけど、あなたが学園を卒業して婚姻できる年になったら、その市井のお嬢さんと結婚させてあげるわ」
母上は、全部知っている?
チェリーのことも?
いや。それもそうか。
僕は撒いたつもりだったけど、王家の護衛を務める彼らが、たかが12歳の子供に撒かれるわけがなかった。
だけど、あれほどまでに、王族としての立場を口にしていた母上が、チェリーを認めるなんて。
僕が一体、何をしたというんだ?
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その後を追いかけて、ふと思いついたように足を止めたのは、兄上の側近のノエル・シュバルツだった。
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その冷ややかなまでの黒い瞳も、その人を馬鹿にしたような物言いも。
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「は?感謝?」
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また馬鹿にされる。
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あの男はいつもそうだ。
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だけど、あの皮肉めいた表情が気になった僕は、母上の元に行くことにした。
最近、母上は僕に婚約者がどうとか言わなくなったけど、そういえば婚約者になる予定だった宰相の娘はどうなったんだろう。
「母上。失礼します」
「あら、ラクトウェル。今日は市井に行かなくていいの?」
「・・・っ!」
母上の声は、決して皮肉めいていなかった。
ただ淡々と事実を口にしているだけ。
別に僕に興味がないとか、愛情がないとか、そういうんじゃないと思うのに、何故か胸の中がざわめいた。
「あら?別に叱ってるんじゃないわ。そんな顔をしなくても。むしろ今ではあなたに感謝しているのよ」
また感謝だ。
一体、みんな何を言ってるんだ?
「あなたのおかげで、一番手に入れたかったものを、最高の形で手に入れることが出来たわ。褒美として、そうね、年齢的にもすぐには無理だけど、あなたが学園を卒業して婚姻できる年になったら、その市井のお嬢さんと結婚させてあげるわ」
母上は、全部知っている?
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いや。それもそうか。
僕は撒いたつもりだったけど、王家の護衛を務める彼らが、たかが12歳の子供に撒かれるわけがなかった。
だけど、あれほどまでに、王族としての立場を口にしていた母上が、チェリーを認めるなんて。
僕が一体、何をしたというんだ?
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