転生ガチャで悪役令嬢になりました

みおな

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仕方のない人

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 弱々しく語られる内容に、私はため息を吐いた。
 本当に、困った婚約者様だこと。
ゆっくり髪を撫でる。

「私はまだ13歳ですから、すぐに婚姻というわけにはいかないですし、私だって不安ですよ?クリス様はとても素敵ですから、多くのご令嬢に好意を寄せられているでしょう?我が国では、うちのお父様を押し退けて、という貴族の方はいらっしゃらないかもしれませんけど、他国の王族から申し込まれたら?」

「僕はっ!ルミィ以外なんて」

 クリス様が、ガバッと顔を上げられた。良かった。泣いてはいないわね。

「分かっています。でも、大国から申し込まれたら?どうしても断れない相手だったら?婚約してくれなければ死ぬと言われたら?」

「もし、そう言われても、僕は優しい人間じゃないから、ルミィ以外がどうなっても構わない。冷酷残忍と言われても良い」

「そうですね。私も何と言われても気にしないつもりですけど、そのことでクリス様が悪く言われたらと思うと躊躇います。クリス様もそうですよね?私が悪く言われると思ったら、躊躇いますよね?」

 私の言葉に、クリス様は何かを言いかけて口をつぐんだ。

 分かってる。
これはあくまでも仮定の話。

 実際問題、我が国の中でコンフェルト公爵家に牙をむく貴族はいないだろう。
 しかも王太子殿下であるクリス様の溺愛ぶりも知れ渡っている。

 だけど、貴族なんてそんなに綺麗なものばかりじゃない。
 私が何か失敗をすれば、それはコンフェルト公爵家の傷となる。そこをついてくる貴族もいるだろう。

 それに他国だって、クリス様の正妃になり我が国と縁を結ぼうとする王家だってあるはずだ。

 陛下たちはクリス様のお気持ちを汲んで下さっているけど、貴族の結婚が政略が絡むことは自然なことだ。

「クリス様。だからこそ、お互いの気持ちだけは信じていましょう?私も、もしも他の方を好きになることがあったとしたら、ちゃんとクリス様にお話します。クリス様の気持ちを裏切るようなことを絶対にしません」

「ルミィ・・・」

「少なくとも今の私は、クリス様以外を好きになる予定はありません。第2王子のことはお断りだと言ったでしょう?」

「そう、そうだったね」

 あ。やっとクリス様が笑顔になられたわ。良かった。

 隣に座られて、ぎゅうぎゅうと私を抱きしめてくる。

 本当に仕方のない方。
でも、だからこそ信じられるわ。

 そういえば私、第2王子に何か言われてたわよね。
 どうしてこんな時間に王宮にいるのかとか何とか。

 あら?学園に通ってないこと知らないのかしら?


 
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