悪役令嬢は推し活中〜殿下。貴方には興味がございませんのでご自由に〜

みおな

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元婚約者たちの思惑

 準備は万全である。

 今日のパーティーで、ダグラスとアレックスはアナとまるで交際しているかのように振る舞い、婚約者であるメルティンとカーラにそれを理由に婚約破棄を告げる。

 そして婚約者がいる男性に擦り寄り、婚約破棄に追い込むなんて、悪女だとシシリーが罵る。

 というのが、彼らのシナリオらしい。

 いやいやいや。
婚約者がいながら、他の令嬢と親しくしている自分は悪くないとでも?

 そもそも、婚約者がいる男性に擦り寄っていたのはシシリーでは?

 アレもコレもツッコミたいルーナだ。

 そのあたりのツッコミは、メルティンとカーラがしてくれると言った。

 二人とも何故かノリノリで、婚約破棄を告げられた後に「とっくに解消されていましてよ」と言うのを楽しみにしている。

 アレックスに恋心を抱いていたメルティンも、吹っ切れたようで何よりだ。

 今回の婚約解消にいたっては、セルビア公爵家ロックベル侯爵家の有責で、国王陛下も神官長もメルティンとカーラに非がないことを認めてくれている。

 今回は、学園生ばかりのパーティーだが、国王陛下とセルビア公爵、ロックベル侯爵には、こっそりと隣室で待ってもらうことにしてある。

 というのも、そこまで愚かなら卒業を待たずに廃籍すると、公爵も侯爵もお怒りだからだ。

 拘束用に騎士たちにも待機してもらっているし、シシリーに取り付ける魔封じの首輪も準備済みだ。

 ルーナ的には、元いた世界に送り返したいところだが、帰し方も分からないので断念。

 魅了持ちを、そのまま放逐するわけにもいかないが、アデライン王国には処刑制度はない。

 罪人は魔獣のいるエリアに、魔獣退治の要因として放り込まれるだけだ。

 最初は生き残れたと喜んだ者たちも、やがて処刑してくれと願うようになる場所だ。

 傷を負っても回復させられて、来る日も来る日も魔獣と戦わなければならない。

 回復できないほどの傷を負わされなければ、永遠に終わることのない戦闘。

 食事や寝る場所は与えられるが、自死する自由すらない場所。

 シシリーたちは平民に落とされ、当然のことながら、監視が付く。

 そこで、真面目に働き更生すれば良し。
 更生が見られない場合は、シシリーもアレックスもダグラスも、そこに送られる。

 最初から魔獣エリアに送り込まれないのは、元婚約者であるメルティンとカーラの願いであった。

 何も犯罪を犯したわけじゃない。
婚約者に不誠実だったとは思うし、シシリーにも思うところはあるが、死んで欲しいわけじゃない。

 高位貴族として生きてきた彼らが平民となり暮らすのは大変だろう。

 それに地位にこだわっていたシシリーには、良い薬だろう。

 そんな思惑からだった。



 

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