悪役令嬢は推し活中〜殿下。貴方には興味がございませんのでご自由に〜

みおな

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始まりますわね

「メルティン・フィクサー侯爵令嬢。ここへ!」

「カーラ・ジョルダン侯爵令嬢!」

 パーティーが始まり、十分ほど経った頃、会場の中央でアレックスとダグラスが声を上げた。

 いつも思うけど、どうして婚約破棄をパーティーの、しかも中央でやるのかしらね。

 今回はアナを貶めるためだから、注目を集める必要があるのだが、衆人環視の場所で婚約解消をしようとする精神が信じられないルーナだった。

 アナは現在、嫌々、本当に嫌々アレックスたちと共にいる。

 アナには、好意的に接する必要はないと伝えてあるので、傍目にも嫌々なのが丸わかりである。

「アレで、交際してるとか周囲が信じると思う?」

 隣に立つカイルに問いかけると、苦笑いが返ってきた。

「無理でしょうね。ロックベル侯爵子息が手を離せば、すぐにでも逃げそうですから」

「よね。ライアン殿下は殿下で、怒りのオーラを隠してくれてないし」

 自分の想い人がダグラスに手を掴まれているからだろう。

 ライアンは、離れた位置からダグラスを睨みつけている。

「さっさと片付けないと、殿下が暴走しそうだわ。メルティン様とカーラ様の発言後に詰めるわ。公爵たちにそう伝えて」

「かしこまりました。無茶はなさらないで下さいね?」

「分かってるわ」

 カイルが連絡のために離れると、今度はセドリックとアマリアが近付いて来る。

「始まるんだね」

「ええ。良かったですわ、アデライン様。お早く目が覚めて何よりですわ」

「うん、ありがとう。フィオレンサ嬢とオフリー嬢のおかげだ。何でも言ってくれ。僕にできることなら何でも力を貸すよ」

 セドリックは隣に立つアマリアを、愛おしげに見つめる。

 その様子に、ルーナは自分のしたことは間違いではなかったと、心から安堵した。

「なら、この先もしもアナ様が助けの手を必要としている時、助けてあげて下さいませ」

「それは、もちろん。僕の従姉妹になるわけだしね」

 セドリックは、王妃ヘスティアがルーナに執着していることを父やライアンから聞いて知っていた。

 だから、ルーナがライアンと婚約したアナを助けることはヘスティアを刺激すると考えたのだろうと思い、素直に了承した。

 まさかルーナがカイルと共に、アデライン王国を出ていくとは考えてもいない。

「私も、微力ながらお力になりますわ」

「ありがとうございます、アマリア様。アナ様は頑張り屋なので、弱音をはかないと思われるので・・・まぁ、ライアン殿下がちゃんと気付いて下さるとは思いますけど」

 ダグラスに腕を掴まれ無表情で立つアナと、腕を掴んでいることにイライラして今にもダグラスに食ってかかりそうなライアンを見ながら、ルーナはクスリと笑った。
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