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話してしまいました
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「アリス、兄様に言ってごらん?」
お兄様の笑顔はいつも通りにお優しくて、わたくしはつい過去の話を口にしてしまいました。
「あ、あの・・・という夢です。そんな夢を見たのです」
「・・・」
慌てて夢の話にしたのですけれど、家族はみんな眉を顰めた表情です。
失敗しましたわ。
誰にも言うつもりはなかったのに。
大体、本当に夢かもしれません。
時が巻き戻ったというより、未来の夢を見たという方が真実味がありますわ。
でも・・・
エリック殿下とはそれなりに友好な関係だったと思うのですが、あんな夢を見るほど何か不安があったということでしょうか。
「あの・・・」
「そんな夢を見るほど、何か嫌な態度をとられたりしていたのかい?」
「いいえ!いいえ、そんなことはありません。わたくしも何故あんな夢を見たのか分かりませんの」
お父様の問いに、わたくしは首を振ります。
夢の・・・記憶の中のエリック殿下はわたくしを睨み、他の女性を抱き寄せ、冤罪をかけてきて婚約破棄を宣言されましたが、今現在のエリック殿下とは友好な関係だと思います。
「そうなの?気を遣う必要はないのよ?必ず私たちが守ってあげる。私の可愛いお姫様を悲しませる未来なんか絶対に回避してあげるから安心してちょうだい」
お母様に抱き寄せられ、わたくしは思わず涙が溢れそうになり、慌ててお母様の豊かなお胸に顔を埋めます。
貴族の、特に高位貴族の人間は、感情を露わにすることを良しとされていません。
笑顔の下で駆け引きをするのが貴族です。
下位貴族の方には感情的な方もいらっしゃいますが、感情を周囲に悟られると足元を掬われると言われていますの。
そういえば、ユリア様も感情豊かな方でした。
学園内といえど、人前で涙を見せたり、怒ったり甘えたり、その様子に高位貴族のご令嬢方は眉を顰めていらっしゃいましたけど。
殿方の中には、そんなユリア様のことを好ましく思われる方々もいたようです。
その筆頭がエリック殿下でした。
ユリア様と親しくなさるエリック殿下に苦言を呈したときに、憎々しげに言われましたわ。
「なんて冷たい人間なんだ!その感情のない顔で、いつもユリアをいじめているのだろう!まるで人形だな!泣きもしないのか!」
まさか婚約者からこんな酷いことを言われると思っていませんでしたが、あの場で泣くことは出来ません。
わたくしは筆頭公爵家の娘で、王太子殿下の婚約者なのですから。
ですが、家に戻り部屋で一人になってから声を殺して泣きました。
アンナは気付いていたでしょうが、黙って冷やしたタオルを用意してくれたのを覚えています。
お兄様の笑顔はいつも通りにお優しくて、わたくしはつい過去の話を口にしてしまいました。
「あ、あの・・・という夢です。そんな夢を見たのです」
「・・・」
慌てて夢の話にしたのですけれど、家族はみんな眉を顰めた表情です。
失敗しましたわ。
誰にも言うつもりはなかったのに。
大体、本当に夢かもしれません。
時が巻き戻ったというより、未来の夢を見たという方が真実味がありますわ。
でも・・・
エリック殿下とはそれなりに友好な関係だったと思うのですが、あんな夢を見るほど何か不安があったということでしょうか。
「あの・・・」
「そんな夢を見るほど、何か嫌な態度をとられたりしていたのかい?」
「いいえ!いいえ、そんなことはありません。わたくしも何故あんな夢を見たのか分かりませんの」
お父様の問いに、わたくしは首を振ります。
夢の・・・記憶の中のエリック殿下はわたくしを睨み、他の女性を抱き寄せ、冤罪をかけてきて婚約破棄を宣言されましたが、今現在のエリック殿下とは友好な関係だと思います。
「そうなの?気を遣う必要はないのよ?必ず私たちが守ってあげる。私の可愛いお姫様を悲しませる未来なんか絶対に回避してあげるから安心してちょうだい」
お母様に抱き寄せられ、わたくしは思わず涙が溢れそうになり、慌ててお母様の豊かなお胸に顔を埋めます。
貴族の、特に高位貴族の人間は、感情を露わにすることを良しとされていません。
笑顔の下で駆け引きをするのが貴族です。
下位貴族の方には感情的な方もいらっしゃいますが、感情を周囲に悟られると足元を掬われると言われていますの。
そういえば、ユリア様も感情豊かな方でした。
学園内といえど、人前で涙を見せたり、怒ったり甘えたり、その様子に高位貴族のご令嬢方は眉を顰めていらっしゃいましたけど。
殿方の中には、そんなユリア様のことを好ましく思われる方々もいたようです。
その筆頭がエリック殿下でした。
ユリア様と親しくなさるエリック殿下に苦言を呈したときに、憎々しげに言われましたわ。
「なんて冷たい人間なんだ!その感情のない顔で、いつもユリアをいじめているのだろう!まるで人形だな!泣きもしないのか!」
まさか婚約者からこんな酷いことを言われると思っていませんでしたが、あの場で泣くことは出来ません。
わたくしは筆頭公爵家の娘で、王太子殿下の婚約者なのですから。
ですが、家に戻り部屋で一人になってから声を殺して泣きました。
アンナは気付いていたでしょうが、黙って冷やしたタオルを用意してくれたのを覚えています。
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