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あのご令嬢のように
あの後、顔を青くしたままのコストナー男爵と、ずっとわけのわからないことを発言している男爵令嬢は、ラグノア公爵家の騎士達に拘束されました。
ジークハルト様のご指示で、王宮から騎士が来られたそうですわ。
そのまま、王宮の貴族用の牢に入れられているそうです。
貴族用の牢とは、一応は部屋の形をしているのですが、鉄格子があったり窓はハメ殺しという仕様になっています。
ただ、男爵はその貴族用の牢に入っているそうなのですが、ご令嬢の方は平民が入る牢に入れられたそうです。
どうやら随分と暴れられたようです。
一応は、牢と言っても湿気でジメジメしていたり、虫がいたりとはしないみたいですが、ご令嬢が石むき出しの床で、窓もない暗く狭い場所で、お辛いのではないでしょうか。
ですが、ご令嬢はそれだけのことをされたのです。
ご自分のされたことを、しっかりと反省していただきたいと思います。
処罰については、国王陛下、王妃殿下、ジークハルト様、ラグノア公爵様、ブラシール様が協議されているそうです。
男爵はともかく、ご令嬢を国外追放したいジークハルト様とブラシール様と、ごく一般的な降爵つまりは男爵の場合は爵位取り消しですわね、とご令嬢は修道院行きという判断の陛下たちとで平行線のようです。
ジークハルト様のことを勝手にお名前で呼び、婚約者などとおっしゃっていましたから、王族に対する不敬ですし、少々厳しい処罰でもいいのではないかしら。
そう考えたところで、わたくしはハッとしました。
これは、公爵令嬢としてではなく、王姪の立場でもなく、ただの・・・アリスティアという一人の人間としての感情ではないかしら。
わたくしは、セオドア王国王太子殿下の婚約者として、ずっとアリスティアという個人ではなく、王太子殿下の婚約者としての考えや行動を求められて来ました。
エリック殿下にも「人形のようだ」と何度も言われたことがあります。
確かに貴族令嬢として、自分の感情を他人に見せるものではないと言われています。
ですが自分を殺し続けた結果、あんな夢を見るほど追い詰められていたのではないでしょうか。
お父様もお母様もお兄様も、みんなわたくしのしたいようにしていいと言ってくださいます。
公爵令嬢として、自分でお料理など褒められたものではないでしょう。
実際、セオドア王国の王妃殿下は「使用人のすること」だとおっしゃられていました。
でも実際にしてみれば、とても楽しかったのです。
使用人の方々の有り難みも、よく分かりました。
公爵令嬢として相応しくなくても、わたくしはわたくしの感情に素直になって良いのではないでしょうか?
あの男爵令嬢様のように。
ジークハルト様のご指示で、王宮から騎士が来られたそうですわ。
そのまま、王宮の貴族用の牢に入れられているそうです。
貴族用の牢とは、一応は部屋の形をしているのですが、鉄格子があったり窓はハメ殺しという仕様になっています。
ただ、男爵はその貴族用の牢に入っているそうなのですが、ご令嬢の方は平民が入る牢に入れられたそうです。
どうやら随分と暴れられたようです。
一応は、牢と言っても湿気でジメジメしていたり、虫がいたりとはしないみたいですが、ご令嬢が石むき出しの床で、窓もない暗く狭い場所で、お辛いのではないでしょうか。
ですが、ご令嬢はそれだけのことをされたのです。
ご自分のされたことを、しっかりと反省していただきたいと思います。
処罰については、国王陛下、王妃殿下、ジークハルト様、ラグノア公爵様、ブラシール様が協議されているそうです。
男爵はともかく、ご令嬢を国外追放したいジークハルト様とブラシール様と、ごく一般的な降爵つまりは男爵の場合は爵位取り消しですわね、とご令嬢は修道院行きという判断の陛下たちとで平行線のようです。
ジークハルト様のことを勝手にお名前で呼び、婚約者などとおっしゃっていましたから、王族に対する不敬ですし、少々厳しい処罰でもいいのではないかしら。
そう考えたところで、わたくしはハッとしました。
これは、公爵令嬢としてではなく、王姪の立場でもなく、ただの・・・アリスティアという一人の人間としての感情ではないかしら。
わたくしは、セオドア王国王太子殿下の婚約者として、ずっとアリスティアという個人ではなく、王太子殿下の婚約者としての考えや行動を求められて来ました。
エリック殿下にも「人形のようだ」と何度も言われたことがあります。
確かに貴族令嬢として、自分の感情を他人に見せるものではないと言われています。
ですが自分を殺し続けた結果、あんな夢を見るほど追い詰められていたのではないでしょうか。
お父様もお母様もお兄様も、みんなわたくしのしたいようにしていいと言ってくださいます。
公爵令嬢として、自分でお料理など褒められたものではないでしょう。
実際、セオドア王国の王妃殿下は「使用人のすること」だとおっしゃられていました。
でも実際にしてみれば、とても楽しかったのです。
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