私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?

みおな

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結果オーライでいいじゃない

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 フロラリアが、エモンド侯爵令息に惹かれた。

 そのことで、私の相手は自然とローイン公爵令息になる。

 そもそもこの婚約話は、フロラリアに相手を見つけるためのものだ。

 ヴェルザンディ公爵家の娘、しかも聖女でありながら、今までフロラリアには婚約話が出て来なかった。

 それがジュリアーノ殿下が牽制していたから?

 考えてもいなかった情報に、私もフロラリアも目を見開く。

 ローイン様の言葉に、エモンド様も頷く。

「『フロラリア嬢に近付くな。話しかけるな。近づこうとしたら家にそれなりの罰を与える。これは王家の意思だ』そう言っていました」

「「はぁ?」」

 いやいやいや。
思わずはしたない声が出てしまったわ。

 王家の意思?
馬鹿じゃないの?ジュリアーノ殿下の単なる私情でしょ?

「陛下を信じてしなかったわけではありません。第一王子殿下も素晴らしい方ですし、ただの脅しだとは思いましたが、第二王子殿下の婚約者にユースティティア嬢がなったのは、ユースティティア嬢望んだからだと。いずれ姿戻るのだから手出し無用と」

「信じらんない!あの馬鹿王子!」

「フロラリア!言葉遣い」

「だって!お姉様。私がアレと婚約したくないと断ったのに!そのせいでお姉様がアレと婚約することになったのに!お姉様だってイヤイヤだったのにぃ!」

 地団駄を踏みそうなほど、フロラリアが悔しそうな顔をするのを見て、エモンド様が飲み物を手渡している。

 あら、気がきくわ。

 フロラリアは怒ってくれてるけど、私は本当にそういうところの情緒障害というか、なんというか。

 女神だからなのかもしれないけど、あまり腹が立ったりとかないのよね。

 執着心もないし。

 まぁ、この生がそういうことを勉強するためのものらしいなっていうのは理解ってきたけど、中々簡単には、ね。

「ジュリアーノ殿下は、フロラリアを自分に相応しいと思ってらしたものね」

「アレ私に相応しくないわ!というか、アレに相応しいまともな令嬢なんていないわよ!」

「ちょっと不敬が過ぎるわよ。でも、これでフロラリアに縁談が来なかった理由が分かったわ。ジュリアーノ殿下のしたことはよくないことだけど、そのおかげでエモンド様とお知り合いになれたんだから、結果としては良かったじゃない」

 あまりに酷い物言いに、フロラリアを注意する。

 離れてるけど、国王陛下と王妃様もいるのよ。

 どんな愚行をしたとしても、王妃様からしたらお腹を痛めて産んだ子供。

 お二人の気持ちに塩を塗り込むような真似は駄目よ。
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