私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?

みおな

文字の大きさ
17 / 23

街の異変

しおりを挟む
 ルーカス様と街の東へと向かう。

 フロラリアとエモンド様は西側に向かった。

 東側は商業区なのか、店舗が並んでいるが、閉じている店が半分。
 とりあえず開いているが、全く客がおらず開店休業状態の店が半分といったところだ。

 開店休業の店の中に、薬師の店があったので、入ってみることにした。

「・・・」

 店主は目の焦点が合っておらず、私たちが入店したことにも気付かない。

「あの?」

「・・・え?あ、ああ、いらっしゃい」

「えと、ポーションと魔力回復薬を貰えますか?」

「ポーションは売り切れなんだ。魔力回復薬だけで良いかい?」

 店主は一旦奥へ引っ込んで、すぐに瓶を手に戻って来た。

「何本入用だい?」

「ええと二本下さい。あと・・・この街で他にポーションを売ってるお店ってありますか?」

「・・・店はあるけど、どこもポーションの在庫はないよ」

 店主の言葉に、私とルーカス様は顔を見合わせる。

「え?それはどういう・・・」

「それに早くこの街から出て行きな。すぐに出れば、隣町に夕刻には着けるだろう」

「店主。連れがいるんだ。西側へ向かったんだが」

「!」

 ルーカス様の言葉に、店主の顔色が悪くなる。

「西側だって?ああっ!悪い事は言わない。連れのことはあんたらだけでも出て行くんだ」

「どういうことですか?西側に何があるんですか?」

「疫病だ。西の居住区に蔓延している。ポーションも全て西に持って行ってるんだ。何を介して感染るのか分からない。だが、発熱嘔吐下痢などを引き起こすんだ」

 発熱嘔吐下痢・・・
感染症ということね。

 フロラリアは大丈夫だと思うけど、エモンド様が心配ね。

「ルーカス様。フロラリアたちと合流しましょう」

「ちょ、ちょっと待て。西側の人間と接触した者は、街の外には出せない。疫病を広めるわけにはいかないからな」

「理解っています。人から人に感染っているようですから、その対処は正しいと思います。居住区だというのなら、食材とかはありますね?」

「あ、ああ・・・あると思うが、吐くんじゃ食事なんて出来ないだろう?」

 それはそうだけど、食べなければ体力が落ちるばかりだ。

 少しでも消化のいいものを食べさせて、体力を付けないと。

 その時、エモンド様から渡されていた魔道具が、ブブッ!と音を立てた。

「エモンド様?」

「お姉様、フロラリアです。こちらは病人だらけなんです!手を貸してもらえませんか?」

「ええ。こちらでも今話を聞いたところよ。すぐに行くわ」

しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

辺境伯聖女は城から追い出される~もう王子もこの国もどうでもいいわ~

サイコちゃん
恋愛
聖女エイリスは結界しか張れないため、辺境伯として国境沿いの城に住んでいた。しかし突如王子がやってきて、ある少女と勝負をしろという。その少女はエイリスとは違い、聖女の資質全てを備えていた。もし負けたら聖女の立場と爵位を剥奪すると言うが……あることが切欠で全力を発揮できるようになっていたエイリスはわざと負けることする。そして国は真の聖女を失う――

聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~

白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。 王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。 彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。 #表紙絵は、もふ様に描いていただきました。 #エブリスタにて連載しました。

聖女らしくないと言われ続けたので、国を出ようと思います

菜花
ファンタジー
 ある日、スラムに近い孤児院で育ったメリッサは自分が聖女だと知らされる。喜んで王宮に行ったものの、平民出身の聖女は珍しく、また聖女の力が顕現するのも異常に遅れ、メリッサは偽者だという疑惑が蔓延する。しばらくして聖女の力が顕現して周囲も認めてくれたが……。メリッサの心にはわだかまりが残ることになった。カクヨムにも投稿中。

辺境地で冷笑され蔑まれ続けた少女は、実は土地の守護者たる聖女でした。~彼女に冷遇を向けた街人たちは、彼女が追放された後破滅を辿る~

銀灰
ファンタジー
陸の孤島、辺境の地にて、人々から魔女と噂される、薄汚れた少女があった。 少女レイラに対する冷遇の様は酷く、街中などを歩けば陰口ばかりではなく、石を投げられることさえあった。理由無き冷遇である。 ボロ小屋に住み、いつも変らぬ質素な生活を営み続けるレイラだったが、ある日彼女は、住処であるそのボロ小屋までも、開発という名目の理不尽で奪われることになる。 陸の孤島――レイラがどこにも行けぬことを知っていた街人たちは彼女にただ冷笑を向けたが、レイラはその後、誰にも知られずその地を去ることになる。 その結果――?

(完)聖女様は頑張らない

青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。 それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。 私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!! もう全力でこの国の為になんか働くもんか! 異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)

堅実に働いてきた私を無能と切り捨てたのはあなた達ではありませんか。

木山楽斗
恋愛
聖女であるクレメリアは、謙虚な性格をしていた。 彼女は、自らの成果を誇示することもなく、淡々と仕事をこなしていたのだ。 そんな彼女を新たに国王となったアズガルトは軽んじていた。 彼女の能力は大したことはなく、何も成し遂げられない。そう判断して、彼はクレメリアをクビにした。 しかし、彼はすぐに実感することになる。クレメリアがどれ程重要だったのかを。彼女がいたからこそ、王国は成り立っていたのだ。 だが、気付いた時には既に遅かった。クレメリアは既に隣国に移っており、アズガルトからの要請など届かなかったのだ。

婚約破棄されたので、聖女になりました。けど、こんな国の為には働けません。自分の王国を建設します。

ぽっちゃりおっさん
恋愛
 公爵であるアルフォンス家一人息子ボクリアと婚約していた貴族の娘サラ。  しかし公爵から一方的に婚約破棄を告げられる。  屈辱の日々を送っていたサラは、15歳の洗礼を受ける日に【聖女】としての啓示を受けた。  【聖女】としてのスタートを切るが、幸運を祈る相手が、あの憎っくきアルフォンス家であった。  差別主義者のアルフォンス家の為には、祈る気にはなれず、サラは国を飛び出してしまう。  そこでサラが取った決断は?

国王ごときが聖女に逆らうとは何様だ?

naturalsoft
恋愛
バーン王国は代々聖女の張る結界に守られて繁栄していた。しかし、当代の国王は聖女に支払う多額の報酬を減らせないかと、画策したことで国を滅亡へと招いてしまうのだった。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ゆるふわ設定です。 連載の息抜きに書いたので、余り深く考えずにお読み下さい。

処理中です...