決めたのはあなたでしょう?

みおな

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お説教タイム

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「僕は言ったよな?ジョージアナ嬢は婚約者と婚約解消したばかりだと。だから、たとえ番だとしてもお互いのことをよく話し合ってから、婚約を申し込めと。なのに何で、婚約すらすっ飛ばして求婚してるんだー!」

「だってこんなに可愛いんだぞ?見合いのために他国に行ったりしたら、すぐに見そめられるに違いない。早く僕のものにしなければ・・・」

「だーかーらー!彼女が番なのは分かってる。精霊王にとって、番がどれだけ大事なのかも分かる。だけど、それと彼女の気持ちは別問題だ。好きだとかそんな気持ちを求めないなら、政略結婚として彼女と彼女の家に利益を提示しろ。愛情を求めるなら、ちゃんと歩み寄って、時間をかけろ」

 精霊王様に、王太子殿下がキツくおっしゃいます。

 愛情を求めるなら、ちゃんと歩み寄って・・・

 私は、サイード・スペンサー様にちゃんと歩み寄ったでしょうか。
 嫌われたくないからと、何も言おうとせず、相手が歩み寄ってくれるのを待っていただけじゃないでしょうか。

 他の方と抱き合うのを見たとき・・・いいえ。伯爵家を訪れなくなった時に、ちゃんと話をするべきだったのではないでしょうか。

「政略結婚などではない・・・一目見た時から、惹かれて止まなかった。それが番を求める性だと言われればそれまでだが・・・」

 精霊王様の、苦しそうな声に申し訳なくなります。

 私は貴族の娘として生まれたのです。
政略結婚など当たり前で、家や国のためになるなら、喜んで嫁ぐべきなのです。

 しかも私は、侯爵家との縁結びを、いくら侯爵家側有責とはいえ、壊してしまったのです。

 そんな私を望んで下さるのですから、ありがたいと思うべきなのです。

「王太子殿下。お気遣いくださりありがとうございます。そして精霊王様。私はジョージアナ伯爵家を継ぐことになっております。兄弟もいませんので、私が継げなければ伯爵家は取り潰しになります。ですから、私が精霊国へ嫁ぐことは無理なのです」

「なら、僕が婿に行く」

「・・・・・・は?」

 淑女らしからぬ声が出てしまいました。
だって、あり得ないことをおっしゃるから。

 精霊国ベルスィートの国王陛下なのですよね?
 そんな方が、他国の、しかも伯爵家に入婿になんて有り得なさすぎてびっくりです。

「な、にを・・・おっしゃっていますの?」

「アリス嬢が僕を望んでくれるなら、婿にでも何にでもなる。別に、ベルスィートにいなければならないわけじゃないし」

 え?そうなのですか?
でも、それでも伯爵家に入婿は無理がありませんか?

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