決めたのはあなたでしょう?

みおな

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そろそろ本題に入って下さい

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「ジュリアンに、婚約者はいない。別に報告義務はないが、代々婚約をした時には、精霊王に伝えてくる」

 カイン様の言葉に、コテンと首を傾げます。結婚報告ではなく、婚約の時点で報告するのですね。

「・・・ッ!可愛い」

『・・・確かに可愛いけど、王様ぁ・・・』

「?」

 小声で話されるので、聞こえませんわ。悪口・・・ではありませんね。カイン様もアエラスくんも、そんなことをする方ではありませんもの。

 おら?カイン様のお顔が赤いですわ。体調が悪いのかしら?

「カイン様?お顔が赤いですわ。体調が良くないのですか?」

「え、あ、いや。大丈夫だ。優しいな、アリス嬢は」

「え?いえ、そんな・・・」

 その蕩けそうな眼差しに、頬が熱を持った気がします。
恥ずかしくて、顔を俯かせました。

『ジュリアン呼んでこようかと思ったけど・・・もうちょっと二人きりでいる?』

「えっ?あっ、あの、呼んで来て下さい」

 ちょっと呆れたような、アエラスくんに、慌ててお願いします。

 私ってば、マリンティア様のことをお願いしに来たのに、何をしてるのかしら。

『了解~。すぐ戻ってくるから、王様変なコトしちゃ駄目だよ』

「さっさと行ってこい」

『はぁ~い』

 天井に向かって飛び上がると、アエラスくんの姿はフッと見えなくなりました。

 壁や窓が意味をなさないなんて、ある意味便利ですわね。

 でも、王太子殿下は精霊の姿は見えるけど、声は聞こえなかったのではないかしら?
 どうやって、呼んで来られるのかしら?

「王太子殿下に、アエラスくんの声は聞こえないのではありませんか?」

「大丈夫。手招きをすれば良い話だ」

 なるほどです。納得しましたわ。
そうですわよね、姿は見えるのですから。

 数分も待つと、バタバタと足音がして、ノックもなく扉が開きました。

「カイン、なんだ?」

「なんだじゃない。お前はまたノックもせずに」

「え、あ、すまない、ジョージアナ嬢」

 王太子殿下は、カイン様のお部屋に私がいたことに驚かれたようですが、すぐに私に謝罪して下さいました。

 いえ。私はかまいません。伯爵家の娘ですし、別に着替え中というわけでもありませんし。

 ですが、いくらご自分の家(規模が違いますけど)だとはいえ、他国の国王陛下のお部屋にノックもしないというのは、よろしくないと思いますわ。

「僕がアリス嬢にアタックしていたら、どうするつもりだ」

「そんなのは邪魔するに決まっているだろう」

「なんでだ!協力しろよ」

 仲がよろしいのはとても良いことですが、そろそろ本題に入ってもらえませんか?








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