決めたのはあなたでしょう?

みおな

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私が勝手にしたことです

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「ジュリアン。お前、あの王女のことをどう思ってる?」

 そう切り出したカイン様に、王太子殿下だけでなく、私もアエラスくんも絶句します。

 カイン様!ストレート過ぎますわ。
しかもいきなり過ぎます。

 いえ。そういえばカイン様は、私にも即座に求婚して下さった方でしたわ。

 私は・・・相談する方を間違えたのではないでしょうか?

 唖然とした王太子殿下でしたが、カイン様とのお付き合いは長いのでしょう。すぐに立ち直られました。

「なんだ?いきなり」

「ジュリアンの本心が聞きたい。答えてくれ」

「カインが何故そんなことを聞きたがる?王女ってマリンティアのことだろ?もしかして、マリンティアのことを気に入ったのか?」

 殿下はそこまで言われてから、私に視線を向けました。

「いや、会った早々、求婚したお前に限ってそれはないな。ということは・・・ジョージアナ嬢の疑問ということか」

 さ、さすがは、王太子殿下ですわ。
あっさりと私の頼み事だと気付かれたご様子です。

 余計なお世話だと怒られないかしら。
いえ、怒られるのは構いませんけど、マリンティア様のご迷惑にならないかしら。

 勝手にマリンティア様のお気持ちをお伝えするわけにもいきませんし、どうお話すれば良いのかしら?

「出過ぎた真似をして申し訳・・・」

「ジュリアン。僕が知りたいのだ。アリス嬢は関係ない。答えろ、ジュリアン。答えないなら、今後サザンスィート王国への加護を取り消す」

 ちょっと待ってください。
私のせいで、加護が取り消されたりしたら困ります。

 確かにマリンティア様のことは大切ですし、お力になりたいです。
 でも、この国に来てから、王太子殿下にもたくさんお気遣いいただきました。

 カイン様が私を気遣って下さっているのはわかりますが、それとこれとは話が別です。

「カイン様。お気遣いいただきありがとうございます。ですが、加護を取り消すなど、ご冗談でもおっしゃらないで下さい。私はこのサザンスィート王国に来て、本当に癒されたのです。この国が精霊に愛され、自然豊かであることがとても素晴らしいことだと思えるのです」

「しかし・・・」

「王太子殿下。申し訳ございません。私が、カイン様にお聞きしたのです。マリンティア様が政略結婚でどこかへ嫁がれなければならないのなら、このサザンスィート王国のように美しく豊かな国であればと。お兄様と慕われている王太子殿下となら幸せになれるのではないかと。出過ぎた真似をいたしました。申し訳ございません」

 深く頭を下げて、謝罪します。
アエラスくんは心配そうにみてくれていますし、カイン様のお顔も曇ってしまいました。
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