転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな

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ゲームの舞台の学園へ

初恋です

 セシル様の背中にその手を回します。
真っ赤になっているから、あんまり見ないで欲しいのに、セシル様は蕩けそうな目で私を見ています。

 なんですか、これ。
何の羞恥プレイですか。こんなに恥ずかしいのに、どうしてセシル様は普通なんですか?

「アリス・・・」

 あれ?どうしてセシル様の顔が近づいてるんでしょうか。

 焦点が合わない視界に映るのは、セシル様の整った顔。
 しっとりと唇に感じる感触。あたたかなそれは多分セシル様の唇で。

 えと。どういうこと?
セシル様の唇が私のソレに重なってたら、キスになっちゃうじゃない。
 え?どうしてキスされてるの?
私たちまだ11歳ですよ?
 確かに、セシル様のこと好きって言いましたけど。私たち婚約して6年もたちますけど。

 ぐるぐると考えてこんでいると、チュッと軽い音を立てて、唇が離れました。

 目の縁を赤く染めたセシル様が、私をぎゅっと抱きしめてきます。

「ごめんね。嬉しくて我慢できなかった」

「嬉しい、ですか?」

「アリスが僕を好きって言ってくれた。嬉しくて仕方ないよ」

 私がセシル様を好きって言ったから、嬉しい?
 セシル様が私を好きって言ってくれたら・・・うん。嬉しいですね。舞い上がりそうです。

 好きな人に好きって言ってもらえるのって、こんなに幸せなんですね。

 私は、前世で恋人と思ってた相手がいたけど、今思えばアレは恋じゃなかったのかもしれないです。

 なんとなく成り行きで付き合って、結局はメッシー扱いされて、殺されたんですよね。

 セシル様に感じるような、好きでどうしようもない思いを抱いた覚えがありません。

 もしかして、これ、初恋なんじゃないでしょうか。

「アリス?どうかした?」

「私・・・は、本当にセシル様が好きです。セシル様は私の初恋なんです。前世で今の倍以上生きてましたけど、こんな風に特別な相手と出会ったのは初めてなんです」

 特別な存在。
会いたくて仕方ないと思える相手。
触れたくて、触れられたい相手。
そばにいたくて、他の誰も見て欲しくない、そんな束縛したい相手。

 こんな気持ちになるなんて、思わなかったです。
 前世で付き合ってた相手も、アリスの記憶の中の婚約者も、揃って屑だったから、誰かを好きになることなんてないと思っていたんです。

 それなのに。
セシル様のことを好きになってしまいました。

「アリス」

「・・・んっ」

 またキスされました。
好きな人にキスされるのって、こんなに幸せなことなんですね。

 初恋は叶わないって言うけれど、どうかこの恋だけは奪わないでください。
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