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ゲームの舞台の学園へ

甘やかし中です

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 プリシア様が帰られた後、セシル様に捕まってしまいました。
 強制的にお膝の上に座らされます。

「セシル様、恥ずかしいです」

「だめ。僕よりあの子を優先させたお仕置きだよ」

 そんなこと言われても困ります。
だって私、女の子のお友達欲しいです。しかも、ヒロインさんですよ?
 可愛いし、性格も良さげだし、その上セシル様を攻略しないでくれるんですよ?
 仲良くしたいじゃないですか。
前世でも私を助けようとしてくれたらしいし。

「セシル様、プリシア様はヒロインなんです」

「うん、前に聞いたよ」

「セシル様はやっぱり攻略対象でした。セシル様は私を好きだと言ってくださるけど、もしプリシア様が・・・いえヒロインが攻略しようとしたらー」

 ゲームの中の攻略対象のように、アリスの記憶の中のハロルドのように、私を断罪するかもしれません。

 冤罪だったのに。
誰ひとり助けてくれませんでした。
誰ひとり信じてくれませんでした。

 絶対許せない。
そう思ったんです。だから、攻略対象とは距離をおこうって思ったんです。
 まさか、セシル様が攻略対象だなんて思わなかった・・・

 私の頬に、大粒の涙がこぼれました。
それに気づいたセシル様は、慌てて私を宥めはじめます。

「あ、アリス?ごめん、ごめんね?お願いだから泣かないで?」

「・・・」

「ごめん、アリス。ちょっと、ほんのちょっとヤキモチ妬いただけなんだ。ごめん」

 分かってます。
多分、私だってヤキモチ妬くことあります。
 でも、ヒロインであるプリシア様は女性なのに。

 仲良くなったから、推しがセシル様でないことも分かりましたし、彼女の最推しとの縁を結ぶ協力をしようと思ったんです。
 プリシア様は転生者でしたけど、電波系でもなんでもなく、本当にいい子みたいですから。

 まぁ、彼女の推しのエルンスト様は皇太子ですから、男爵家の令嬢であるプリシア様と結ばれるのは、現実的にみて無理なのですけど。
 ゲームでどういう攻略をされたのか分かりませんけど、相当大変だと思います。

 ずっと黙っていたら、セシル様の方が泣きそうなお顔になってしまいました。
 あ。ちょっと、自分の世界に入り込んでしまってました。

「もう、怒ってないですから。そんなお顔なさらないでください」

「本当?」

「はい。でも、プリシア様はお友達ですから。私、女の子のお友達、欲しかったんです」

「そっか。そうだよね。ごめんね」

 いえ。私も泣いたりしてごめんなさいです。
 プリシア様のこともお友達として大切ですけど、恋愛対象としての1番はセシル様ですから。


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