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ゲームの舞台の学園へ

魔力の鑑定があります

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 学園の授業が始まる前に、魔力鑑定というものがあります。

 学園は、騎士科、魔法科、商業科、貴族科があります。

 騎士科というのは、読んで字のごとく騎士を目指す人のためのクラスです。
ただ、貴族の男子たるもの剣を学ぶ必要があるので、最初の1年は王族や高位貴族の男子は全員もれなく騎士科です。

 魔法科は魔力に特化した生徒が入るクラスです。
 魔力鑑定で選ばれた生徒のみで構成されます。

 商業科は、領地経営や商家経営を学ぶクラスです。

 そして、貴族科は淑女教育を受ける女子生徒のみのクラスです。

 アリスはかつて貴族科でした。風の魔力持ちでしたが、微々たる魔力だったようです。

 元婚約者は、騎士科から商業科へ。第1王子は、ずっと騎士科でした。

 ちなみにヒロインは、魔法科だそうです。

 この辺りのことは、プリシア様からお聞きしました。

「アリス様と同じクラスがいいです」

 プリシア様がそう言って、私の腕にそっと触れられます。
 なんですか、それ。可愛すぎます。そんなことされたら、攻略対象はドキッとするでしょうね。さすがヒロインです。

「ですが、私の魔力は微々たるものだったのでしょう?」

「そうですけど、私もアリス様も転生してますから・・・そうです!私の魔力もなくなってるかも!」

 ああ。転生者あるあるですね。チートな魔力持ちになってるとか。

「プリシア様?魔力がなくなって聖女でなくなればエルンスト様の攻略に支障が出るのでは?」

「ああっ!そうでした・・・」

 なんでしょうか。この可愛らしい方は。私と同じクラスいいと言って、大切な攻略対象のことを忘れてるなんて。
 これは、攻略対象がやられてしまうのも無理ないですわ。

 いえ。だからといって、冤罪で私を殺したハロルド・ダートンのことは許せませんけどね。

「たとえクラスが違いましても、お昼休みなどでご一緒しましょう?」

 あ。でも、お昼休みはセシル様とご一緒するお約束でした。セシル様は騎士科なので、私とは別なのです。

「セシル様とも一緒でよろしければ」

 あら?ほっぺたを膨らましたりして、なんて可愛い。つつきたくなります。えいっ!

「アリス様ぁ・・」

「そんな可愛らしいお顔をなさるからですわ。プリシア様はどうしてそんなにセシル様を嫌がりますの?仮にも攻略対象なのでしょう?」

 攻略はして欲しくないですけど、普通に仲良くして欲しいのですが、何だかお2人揃うと火花が散ってる気がするのです。まるで天敵に会ったみたいな。

「アリス様って・・・鈍・・・いえ、なんでもないです。さ。鑑定の列に並びましょう?」

 プリシア様が言いかけた言葉は小さくて聞こえませんでしたけど、そうですね。列に並ばないとです。





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