転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな

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ゲームの舞台の学園へ

1週間の安息と対策《ハロルド視点》

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 目の前で、セシル・サードニクス公爵令息の膝の上に座る彼女を見ても、少しも心は揺れなかった。

 アリス・ビスクランド伯爵令嬢。
銀の髪に紫色の瞳の、とても綺麗な少女だ。

 彼女を初めて見たのは、5歳の時だ。
親と共に寄ったケーキ屋で見かけた美少女。一瞬で心を奪われた。

 彼女と婚約したい。
帰ってすぐに父上にお願いした。ビスクランド家は伯爵家だから、公爵家であるうちからの申し込みは断れない。そう思っていた。
 なのに、断りの返答が来た。
しかも、サードニクス公爵家の子息と婚約したと聞いた。

 許せない。

 頭の中はそれだけだった。第1王子であるレイモンド王子に頼んで、セシル・サードニクスが貸し切ったという薔薇園へ入れてもらった。

 サードニクス公爵が王弟であることも、ビスクランド伯爵家が国家予算の半分の税金を納めるほどの力を持っていることも、何ひとつ理解していなかった。

 セシル・サードニクスに言い負かされ、喚き散らす僕に、アリス・ビスクランド嬢は言い放ったのだ。

「なら、貴方を好きじゃないから婚約を断ったのだと私に言われたと、公爵や公爵夫人に言ってみて下さい」

 腹がたって、帰って父と母にビスクランド家への報復を頼んだ。
 そして父と母に、生まれてから初めて、あり得ないほど叱られた。
 これ以上、馬鹿なことを言うなら廃嫡するとまで言われた。

 それから1週間、サードニクス公爵家やビスクランド伯爵家について勉強させられた。

 僕は別に、家の力に屈したわけではない。家の、公爵家の力を使おうとしていた自分を恥じただけだ。
 こんなことをする人間が、好かれるわけがなかった。
 それを父と母に、嫌というほど教え込まれた。

 それから、学園に入学するまで、彼女には会わなかった。
 婚約者が出来たからだ。
キャロライン・アイシス侯爵家令嬢。
橙色の髪と瞳の、2歳年下のご令嬢だ。

 少し気弱で、僕が支えてあげなければと思わせるご令嬢だった。大切にしたい。そう心から思った。

 だから今、目の前の光景を見ても何とも思わなかった。お似合いだな、程度だ。

 キャロライン嬢が2歳年下で良かった。あんな迷惑な女がいるところに、キャロライン嬢がいたら傷ついてしまう。

 レイモンド第1王子には申し訳ないが、王子の婚約者であるリーシャ・ルマンド侯爵令嬢は気も強そうだし、負けてないだろう。

 ビスクランド嬢は絶対にセシル・サードニクス殿が守り切るだろう。

 隣の、ダウニー男爵令嬢はこの中では1番家としての力は弱いが、相手も男爵家令嬢だし、しかもダウニー嬢は光の聖女だと聞いた。

 光の聖女に危害を加えたりしたら、処刑案件だ。

 だから、この話し合いで重要なのは、1週間後に留学してくる皇太子への対応だ。

 あの妙なのを、皇太子に近寄らせるわけにはいかない。外交問題になる。
 面倒なこと、この上ない。ため息がもれた。

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