転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな

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ヒロインの攻略対象

エルンスト・ケルドラード

「これからよろしく頼む」

 エルンスト・ケルドラード皇太子殿下は、軽く頭を下げられます。

 レイモンド様は王族ですが、相手は皇太子殿下。身分はあちらが上ですから、このような挨拶になったのでしょう。

 ルイスお兄様とアナスタシア王太女殿下は、学年が違いますから、今回の顔合わせは同学年になる私たちだけです。

「ケルドラード皇太子殿下は、騎士科に入られるようなので、僕とサードニクス公爵家嫡男のセシル、ダートン公爵家嫡男のハロルドが共に過ごさせていただきます」

「そうか。世話になる」

「一般授業の際は、彼女たちも一緒になります。僕の婚約者のリーシャ・ルマンド侯爵令嬢、セシルの婚約者のアリス・ビスクランド伯爵令嬢です。アリス嬢の兄上が、我が姉アナスタシア王太女の婚約者です」

 レイモンド様が私たちを紹介し、ルイスお兄様がアナスタシア王太女殿下の婚約者だと説明しています。

 あの薔薇園で、ハロルドに引っ張られていた気弱な王子殿下の姿はそこにはありません。

「この国には、聖女がいると聞いたのだが」

「それは、プリシア・ダウニー男爵令嬢のことですね。彼女も我々と親しくしているので、明日学園でご紹介します」

 ケルドラード皇国にまで、聖女の噂は届いているのですね。
 ちなみに、私が闇の聖女であることは内密にすることになっています。

 闇の聖女は稀有な存在ということもありますが、セシル様いわく、私に興味を持たれたくないとのこと。
 もちろん、レイモンド様や国王陛下たちがセシル様に否を唱えれるわけもなく、セシル様の意見通りに話さないこととなりました。

「それから、エルンストと呼んでくれ。そして、出来るなら友となって欲しい」

「もちろんです。我々のことも名前でお呼び下さい」

「ご令嬢たちも構わないだろうか?」

「お心のままに」

 友となって欲しいとおっしゃるのです。名前くらいいくらでも呼んで下さって構いませんわ。
 それに、どうやらプリシア様に興味を持たれているみたいです。これは、チャンスですわ。

 友人になって欲しいとおっしゃるくらいですから、性格も悪くはなさそうですし。

 もちろん、プリシア様のお気持ち次第ですけど。

 エルンスト・ケルドラード皇太子殿下は、黒髪に黒曜石の瞳の、見た目麗しい方ですわ。ちょっとオリエンタルな雰囲気で大人っぽい方です。

 私は乙女ゲーム『最後の恋をあなたと』ではエルンスト殿下を見ていません。
超シークレットのため、パッケージにもシルエットしか写っていませんでした。

 プリシア様の最推しというエルンスト殿下。確かに素敵な方だと思います。
・・・セシル様の次にですけどね。
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