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ヒロインの攻略対象
光の聖女《エルンスト視点》
フォレスト王国には、魔法というものが存在する。
これは我がケルドラード皇国にはないものだ。
魔法ー
その人間の中にある魔力というものを使って、何も道具を使わずにその現象を起こすと言われている。
この、魔法と魔力というものの活用で、魔道具というものが開発され、それによって魔力のない国民にも魔法に似たことが出来るらしい。
何もないところに水を出すことができる物、火を起こすことができる物、目の前の現象を記録できる物など、様々な物がフォレスト王国にはあると聞く。
俺がこのフォレスト王国に留学を決めたのは、その魔法について知りたかったからだ。
フォレスト王国と友好な関係を築き、ケルドラード皇国に魔道具を持ち帰ることが出来れば、ケルドラード皇国の発展になる。
そう思ってフォレスト王国の王宮に訪れたその日、この国の第1王子だというレイモンド殿から、しつこいくらいに言われたことがある。
「ビスクランド伯爵家のご令嬢、アリス・ビスクランド嬢には絶対に近づかないでください」
そのご令嬢は、レイモンド殿の従兄弟の婚約者らしく、従兄弟はものすごくヤキモチ焼きなのだとか。
その従兄弟というのが、王弟殿下のサードニクス公爵のご子息らしく、とても優秀な方らしい。
ビスクランド伯爵家というのは、フォレスト王国の王家に匹敵する力のある貴族だという。
よく聞いてみると、ビスクランド伯爵夫人の立ち上げているブランドは、我が国でも見かけることがある。
その伯爵家でも、そしてサードニクス公爵家や、王家でも溺愛されているというご令嬢に、少し興味がわいた。
しかし、仲睦まじい婚約者同士にちょっかいを出すなど、皇太子としての資質を問われそうだ。まして、前もって念押しされているのだから。
俺が興味を持ったことがわかったのだろう。
レイモンド殿は顔を青くしながら、首を振った。
「アリス嬢を慕っているのは、セシルだけではないんです。ビスクランド伯爵家はもちろんのこと、サードニクス公爵家にダートン公爵家、僕の婚約者の侯爵家や騎士団長の子息、魔法省長官の子息、僕の姉である王太女殿下も、王妃である母上も、そして国王陛下もなんです。わかりますか?この国の権利者のほとんどが大切に思っているご令嬢なんです。ケルドラード皇国は、フォレスト王国と戦争するつもりですか」
噛んで含めるように、告げられた内容に、俺は慌てて否定した。
「わかった。約束する。ビスクランド嬢には絶対に近づかない」
「約束ですよ?そのかわりと言ってはおかしいですが、光の聖女という存在が当代います。とても稀有な存在なのですが、僕たちと懇意にしていますから、彼女と話をしてみてはいかがですか?彼女なら婚約者もいませんから」
そう言ったレイモンド殿に、俺は即座に了承した。
光の聖女。
噂には聞いたことがある。
これは我がケルドラード皇国にはないものだ。
魔法ー
その人間の中にある魔力というものを使って、何も道具を使わずにその現象を起こすと言われている。
この、魔法と魔力というものの活用で、魔道具というものが開発され、それによって魔力のない国民にも魔法に似たことが出来るらしい。
何もないところに水を出すことができる物、火を起こすことができる物、目の前の現象を記録できる物など、様々な物がフォレスト王国にはあると聞く。
俺がこのフォレスト王国に留学を決めたのは、その魔法について知りたかったからだ。
フォレスト王国と友好な関係を築き、ケルドラード皇国に魔道具を持ち帰ることが出来れば、ケルドラード皇国の発展になる。
そう思ってフォレスト王国の王宮に訪れたその日、この国の第1王子だというレイモンド殿から、しつこいくらいに言われたことがある。
「ビスクランド伯爵家のご令嬢、アリス・ビスクランド嬢には絶対に近づかないでください」
そのご令嬢は、レイモンド殿の従兄弟の婚約者らしく、従兄弟はものすごくヤキモチ焼きなのだとか。
その従兄弟というのが、王弟殿下のサードニクス公爵のご子息らしく、とても優秀な方らしい。
ビスクランド伯爵家というのは、フォレスト王国の王家に匹敵する力のある貴族だという。
よく聞いてみると、ビスクランド伯爵夫人の立ち上げているブランドは、我が国でも見かけることがある。
その伯爵家でも、そしてサードニクス公爵家や、王家でも溺愛されているというご令嬢に、少し興味がわいた。
しかし、仲睦まじい婚約者同士にちょっかいを出すなど、皇太子としての資質を問われそうだ。まして、前もって念押しされているのだから。
俺が興味を持ったことがわかったのだろう。
レイモンド殿は顔を青くしながら、首を振った。
「アリス嬢を慕っているのは、セシルだけではないんです。ビスクランド伯爵家はもちろんのこと、サードニクス公爵家にダートン公爵家、僕の婚約者の侯爵家や騎士団長の子息、魔法省長官の子息、僕の姉である王太女殿下も、王妃である母上も、そして国王陛下もなんです。わかりますか?この国の権利者のほとんどが大切に思っているご令嬢なんです。ケルドラード皇国は、フォレスト王国と戦争するつもりですか」
噛んで含めるように、告げられた内容に、俺は慌てて否定した。
「わかった。約束する。ビスクランド嬢には絶対に近づかない」
「約束ですよ?そのかわりと言ってはおかしいですが、光の聖女という存在が当代います。とても稀有な存在なのですが、僕たちと懇意にしていますから、彼女と話をしてみてはいかがですか?彼女なら婚約者もいませんから」
そう言ったレイモンド殿に、俺は即座に了承した。
光の聖女。
噂には聞いたことがある。
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