気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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教皇様ってどんな人?

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「お姉様は、教皇様にお会いしたことありますか?」

 現在の私の興味?は、教皇様とやらの為人。

 悪いヤツならもういっそ教会ごと潰すし、いい人なら教会の在り方を正してもらう。

 捕らえた三人は、お母様に任せておけば大丈夫・・・多分。

 やり過ぎないと思う。
うん。あとで、兄ズに監視をお願いしておこう。

 さすがに殺しちゃったりしたら大変だ。

 私の問いに、エリーゼが小首を傾げた。

「教皇様?そうねぇ・・・自分の好きなこと以外に興味のない人、かしら」

「自分の好きなこと、ですか?」

「ええ。あの方は神に祈りを捧げることと、国民が幸せに暮らすこと以外に興味がないの。だから一日のほとんどを祈りの間で過ごしていると聞くわ。教会の運営に携わっているのは、神官長のパウロ様ね」

 はい?
神に祈りを捧げることと、国民が幸せに暮らすこと以外に興味がない?

 なんていうか・・・
俗世離れした人だな。ある意味、正当な教会関係者か。

 多分、というか間違いなくその神官長に、教会という組織は好きなようにされてるんだろうな。

「お姉様は、教会の在り方についてどう思われますか?」

「そうね、私は祈りを捧げる時に教皇様とお会いするのと、教会に行った時に神官長様や他の方とお会いする程度だけど・・・、神官長のパウロ様にはあまり良い印象は持っていないわ。私の力を利用しようとする言葉が節々にあるの。王家ではなく教会関係者・・・自分の息子と婚約した方がいいとかおっしゃるし」

「大丈夫なのですか?護衛はいるとはいえ」

「今は年齢的に祈りを捧げるのと、よほどの依頼がない限りは聖女として活動していないから。でも、この先には不安があるわ。アイリーンへの対応を見てると」

 確かに今はまだ十三歳だからあれだけど、息子との婚約を強要しているなら、身の危険があるかもしれない。

 フィラデルフィア公爵家の護衛は優秀だけど、聖女のエリーゼと共に教会の深層部までは行けない。

 侍女すら祈りの間には入れないそうだ。

 防御魔法をかけておくか。

「お姉様。防御魔法をかけておきます。随時、お姉様の魔力を少しずつ使用しますが、その代わり破られない限り消滅することはありませんから」

 魔力なしの人間を守る場合と違って、魔法のかけ直しをする必要がない。

 現在かけているのは私とキララだけど、キララも魔力量はそれなりにあるから問題ない。

 幸いにもフィラデルフィア公爵家の人間は魔力持ちばかりだから、全員にかけておくか。

 使用人たちに関しては、防御の魔道具を持たせておけば、一回逃げるくらいはできるはず。

 諸悪の根源を絶てば良いのだけど、何もしていないから手を出しにくい。

 ま、どうせすぐに動くだろうから準備しよう。
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