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友達?恋人?婚約者?
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キララの恋を見ていて、ふと自分にも婚約者がいることを思い出した。
すっかり忘れていた。
婚約の経緯が、ランディとの婚約を回避するためのものであったから、ランディとのことが解決した今、カイン様との婚約は意味がなくなっていた。
ただカイン様側の、求婚を避けるという役目があるから、解消していないだけで。
「恋というのとは・・・違うのよねぇ」
あの、キララのような頬を染める想いではない。
カインにはよくしてもらったし、枷を外してもらえたおかげで、教会の膿も出せたし、エリーゼも救えた。
まぁ、代わりにあっちの王太子殿下を救ったわけだから、プラマイゼロかな。
恋じゃないから、恋人じゃない。友達?
友達というのとも違う気がする。
婚約者って、前世ではお金持ちくらいにしかいない感じだったから、よく分からないけど恋愛相手じゃないよね?
カイン様、規格外のイケメンだし優しいし、嫌いじゃないんだけどな。
子供ったって、中身の私はそうじゃないし、恋愛感情持ってもおかしくないんだけど。
「アイリーンお嬢様、お手紙が届いております」
「ありがとう、セナ」
手紙の差出人は、たった今考えていたカイン様だった。
『アイリーン嬢、元気かい?姉君を無事に救い出せたこと、心から嬉しく思う。最近はどう過ごしているのかな?もし、時間があるようならシェリエメール王国に遊びに来ないかい?兄上が正常に機能しているから、僕も手が空いてね。うちの観光地を案内したいと思うんだ。もしよければ連て欲しい』
あー、王太子殿下、婚約者が決まって頑張ってるんだ。
ってか、第二王子が暇になるほどってどんだけ頑張ってるの。
でも、シェリエメール王国で観光かぁ。
そういえば前回はゆっくりってわけにもいかなかったし、行ってみたいかも。
さすがにここから、シェリエメール王国までは転移できないかな。
転移できれば、めっちゃ楽に往復できるけど。
・・・試してみようかな。
キララは恋人がいるし、シェリエメール王国には連れて行かないほうがいいよね。
王太子殿下の魅了の件もあるし。
転移は、近くなら他の人とでも大丈夫だけど、さすがに遠距離はひとりの方がいいかな。
「ねー、セナ。ちょっと転移魔法でどこまで行けるのか試してみる。どっちにしてもすぐに戻ってくるから」
「アイリーンお嬢様・・・大丈夫なのですか?いえ、お嬢様なら大丈夫だと思いますけど」
「にゃー」
「ははっ。ノアが付いて来てくれるから大丈夫」
肩に乗ったノアの頭を撫でてやる。
転生チート、どこまで機能するかな。
すっかり忘れていた。
婚約の経緯が、ランディとの婚約を回避するためのものであったから、ランディとのことが解決した今、カイン様との婚約は意味がなくなっていた。
ただカイン様側の、求婚を避けるという役目があるから、解消していないだけで。
「恋というのとは・・・違うのよねぇ」
あの、キララのような頬を染める想いではない。
カインにはよくしてもらったし、枷を外してもらえたおかげで、教会の膿も出せたし、エリーゼも救えた。
まぁ、代わりにあっちの王太子殿下を救ったわけだから、プラマイゼロかな。
恋じゃないから、恋人じゃない。友達?
友達というのとも違う気がする。
婚約者って、前世ではお金持ちくらいにしかいない感じだったから、よく分からないけど恋愛相手じゃないよね?
カイン様、規格外のイケメンだし優しいし、嫌いじゃないんだけどな。
子供ったって、中身の私はそうじゃないし、恋愛感情持ってもおかしくないんだけど。
「アイリーンお嬢様、お手紙が届いております」
「ありがとう、セナ」
手紙の差出人は、たった今考えていたカイン様だった。
『アイリーン嬢、元気かい?姉君を無事に救い出せたこと、心から嬉しく思う。最近はどう過ごしているのかな?もし、時間があるようならシェリエメール王国に遊びに来ないかい?兄上が正常に機能しているから、僕も手が空いてね。うちの観光地を案内したいと思うんだ。もしよければ連て欲しい』
あー、王太子殿下、婚約者が決まって頑張ってるんだ。
ってか、第二王子が暇になるほどってどんだけ頑張ってるの。
でも、シェリエメール王国で観光かぁ。
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さすがにここから、シェリエメール王国までは転移できないかな。
転移できれば、めっちゃ楽に往復できるけど。
・・・試してみようかな。
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「ねー、セナ。ちょっと転移魔法でどこまで行けるのか試してみる。どっちにしてもすぐに戻ってくるから」
「アイリーンお嬢様・・・大丈夫なのですか?いえ、お嬢様なら大丈夫だと思いますけど」
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