気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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やった!観光だ!

「この先に、湖があるんだ」

 アルフレッド様はそう言って、森の先を指さした。

 今日は、王都の先にある湖にピクニックだ。

 カイン様の真っ黒な愛馬、グレイに乗って、ここまでやって来た。

 私の転移魔法は、行ったことのない場所には行けないのと、やっぱり旅行は馬車や馬で移動するのが楽しいから。

 昨日は、王都に買い物に連れて行ってくれたし、一昨日は観劇に連れて行ってくれた。

「わぁ!綺麗ですね」

 森の中だけど、湖の上は青空が見えていて、水面がキラキラしている。

 馬たちに水を与え、周囲の木々に結んでから、同行した騎士の方々がピクニック用のシートを引いたり、お茶の準備を始めた。

「疲れてない?」

「大丈夫です」

 馬で二時間。

 カイン様の後ろに乗せてもらっての初めての乗馬だったけど、楽しかった。

 観劇も、買い物も、カイン様と過ごす時間は思っていたより楽しかった。

 護衛の人たちが運んでくれたお弁当を食べながら、目の前でサンドウィッチにかじりついているカイン様の顔を見つめる。

 恋愛感情というよりは、アスラン兄やイグニス兄と過ごしているような、安心感がある。

「ん?どうかした?」

「カイン様は、私との婚約についてどうお考えですか?」

 私側の問題、ランディとの婚約回避は達成した。

 カイン様側の、婚約者除けに役に立っているのかな?

「どうしてそんなこと聞くの?」

「私側の問題は解決したので、もしカイン様が解消を望まれるのなら、と思いました」

 カイン様だって、いつまでも独り身ではいられないだろう。

 王太子殿下は無事?に婚約者が決まり、仲睦まじくされているらしいから、心配ないとは思うけど、王太子殿下がいずれ国王となられた時に、カイン様は王弟殿下。

 その時には、結婚してるべきだと思う。

 王太子殿下のところに、子供が恵まれなかった場合、カイン様の子供が王位継承権を持つ可能性もあるのだから。

 この世界の結婚は、前世より早い。

 前世みたいに出産に関する医療技術も進んでないから、出産も命懸けだ。

 男の人は、まぁアスラン兄やカイン様の年齢であっても結婚してない人も多いけど、ご令嬢方は違う。

 私と婚約していたら、適齢期のご令嬢との縁を失ってしまうのでは?

 そう思ったのだけど。

「アイリーン嬢は、僕が嫌い?」

「いえ。カイン様といると楽しいですし、素敵な方だと思います」

「なら、僕と結婚したいと思う?」

「・・・私はまだ子供で、恋愛とかに興味がありません。いつかは恋を知るかもしれませんし、知らないまま政略結婚するかもしれません」

 正直に答えた。
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