気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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念には念を入れないと!

「その時は泣きながら、大人しく身を引くよ」

 カイン様の口説き文句に、私は思わず笑みを浮かべた。

 ただ諦めると言うのではなく、泣きながらという単語に好感を感じた。

「ふふっ、ふふふっ」

「笑わないでくれよ。そのくらいの気持ちなんだ」

「ふふっ、ごめんなさい。でも、嬉しいです。カイン様が他の誰かに恋をしたら、私も泣きながら諦めますね」

 まだ恋ではないけど、カイン様のことは好きだから、この先カイン様が他の誰かと恋をしたら、もしかしたら泣くことになるかもしれない。

 二人で顔を合わせて、笑い合った。

 この先どうなるかなんて、誰にも分からない。

 なら、今現在の気持ちを大切にして過ごしていこう。

「また会いに来ますね」

「まだまだ、見せたいものも行きたいところもあるんだ。楽しみにしてて」

「はい!私も、アルティシア王国のオススメの場所、調べておきますね」

 今夜は、カイン様のご両親や王太子殿下、その婚約者の方と食事をして、明日の朝にアルティシア王国に帰ることにしている。

 転移だからいつでも帰れるけど、何日もカイン様の公務の邪魔をするのも良くない。

 来ようと思えばいつでも来れるのだから、元々長期間滞在するつもりはなかった。

「あ。忘れてました、これ・・・」

 収納魔法の巾着から、いくつかの箱を取り出す。

 巾着の大きさと出てきた箱の大きさが合わないのは、ご愛嬌。

「これは?」

「今回、教会のことがあったので、いくつか防御魔法のかかった魔道具を作ったんです。せっかくなので、カイン様のご家族にもと思って」

 持ってきたのは、バングルと髪飾り、それから指輪。

 全てに宝石が付いているけど、全部魔石だ。

 もちろん、デザインはキララ。
本当、センスいいのよね。

「魅了魔法除けに、毒と麻痺と催眠除け、一度限りですけど強力防御も発動します」

「至れり尽くせりだな」

 つい、あれもこれもって欲張っちゃったんだよね。

「それでも、防御魔法は一度しか効きません。何かあったら教えて下さい。これが連絡用の魔道具です」

「本当、至れり尽くせりだ」

「大切な婚約者様と、その家族のためですから」

 知り合って親しくなったら、やっぱり怪我したり何かあると嫌だし、心配になる。

 私の一番はフィラデルフィアの家族だけど、カイン様のおかげで魔法を使えるようになった恩は忘れてない。

「誰にどれを渡すかはお任せしますが、できる限り肌身離さず持つようにしてください。そのために数は多めに持ってきましたから」

 五人分だけど、十個以上持ってきたのは、髪飾りなどはお風呂や寝るときに外すからだ。

 念には念を入れないとね。

 
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