恋とはどんなものかしら

みおな

文字の大きさ
24 / 56

変わった君と、変わらない君(シオンside)

しおりを挟む
 「薔薇が綺麗だから、是非見にきて欲しい」

 そう言って、レティシア、ルティシア姉妹を王宮へと招いた。

 理由は、簡単。
 会いたかったからだ。

 あの日、レティシアが時魔法を使ったあとー

 僕は17歳に戻っていた。

 僕も、国王である父上も、時魔法を使われた『その時』を覚えている。

 王家の人間は、時魔法によって、本来なら消え失せる記憶が消えることはない。
 記憶が消えることにより、考え方や性格が変わったすることを防ぐために、防御アイテムを身につけているからだ。
 それでも、時魔法を防ぐことはできないが。

 レティシアが、レインハルトの処刑を回避するために、時魔法を使ったことは明白だった。

 そのことは、父上にとっても、僕にとっても、そして何より、レインハルトにとって衝撃だった。

 10歳のレティシアは、初めて僕と出会った頃と同じ容姿で、そして、記憶の中より弱々しくなっていた。

 薔薇園で、僕たちを見た途端、倒れたレティシアが、3日間も寝込み、ようやく落ち着いたと聞いたのは、1週間も経ってからだった。

 そのことは、レインハルトにとって、思うところがあったようだ。

 僕とともに、見舞いに訪れたルーベンス邸で、レティシアと対峙したとき、レインハルトは顔を赤らめ、ソワソワし出した。

 弱々しく、クッションにもたれたことで、ようやく起こしていられる身体。
 消え入りそうな、儚げな、微笑み。
 元々の美貌と相まって、庇護欲をそそられる。

 うん。目の毒だな。

 レティシアは、僕たちが記憶を持っていることは知らない。
 王家のみに伝わる秘密だからだ。
 まぁ、いずれ王家の一員になる、レティシアには伝えるつもりではあるが、僕は、僕に相談もなく決断した彼女に対して、思うところもある。

 レティシアは、どうやら、僕らと距離を置こうと思っているようだが、そんなことを許すつもりはない。
 もちろん、3年戻ったことで、婚姻の書は『まだ』交わされてない。
 だけど、僕も、父上も、それからレインハルトも、レティシアを僕の妻にすることは決定事項で、レティシアを離しはしない。

 あの夜ー
 レティシアは、身も心も、僕の妻になったのだから。
 
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

良くある事でしょう。

r_1373
恋愛
テンプレートの様に良くある悪役令嬢に生まれ変っていた。 若い頃に死んだ記憶があれば早々に次の道を探したのか流行りのざまぁをしたのかもしれない。 けれど酸いも甘いも苦いも経験して産まれ変わっていた私に出来る事は・・。

クリスティーヌの本当の幸せ

宝月 蓮
恋愛
ニサップ王国での王太子誕生祭にて、前代未聞の事件が起こった。王太子が婚約者である公爵令嬢に婚約破棄を突き付けたのだ。そして新たに男爵令嬢と婚約する目論見だ。しかし、そう上手くはいかなかった。 この事件はナルフェック王国でも話題になった。ナルフェック王国の男爵令嬢クリスティーヌはこの事件を知り、自分は絶対に身分不相応の相手との結婚を夢見たりしないと決心する。タルド家の為、領民の為に行動するクリスティーヌ。そんな彼女が、自分にとっての本当の幸せを見つける物語。 小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

一体何のことですか?【意外なオチシリーズ第1弾】

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【あの……身に覚えが無いのですけど】 私は由緒正しい伯爵家の娘で、学園内ではクールビューティーと呼ばれている。基本的に群れるのは嫌いで、1人の時間をこよなく愛している。ある日、私は見慣れない女子生徒に「彼に手を出さないで!」と言いがかりをつけられる。その話、全く身に覚えが無いのですけど……? *短編です。あっさり終わります *他サイトでも投稿中

それは報われない恋のはずだった

ララ
恋愛
異母妹に全てを奪われた。‥‥ついには命までもーー。どうせ死ぬのなら最期くらい好きにしたっていいでしょう? 私には大好きな人がいる。幼いころの初恋。決して叶うことのない無謀な恋。 それはわかっていたから恐れ多くもこの気持ちを誰にも話すことはなかった。けれど‥‥死ぬと分かった今ならばもう何も怖いものなんてないわ。 忘れてくれたってかまわない。身勝手でしょう。でも許してね。これが最初で最後だから。あなたにこれ以上迷惑をかけることはないわ。 「幼き頃からあなたのことが好きでした。私の初恋です。本当に‥‥本当に大好きでした。ありがとう。そして‥‥さよなら。」 主人公 カミラ・フォーテール 異母妹 リリア・フォーテール

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな
恋愛
市川みのり 31歳。 成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。 彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。 貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。 ※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

【完結済】監視される悪役令嬢、自滅するヒロイン

curosu
恋愛
【書きたい場面だけシリーズ】 タイトル通り

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

処理中です...