37 / 56
ヒロインとは認めません
しおりを挟む
夢を見ていた。
レインハルト様が、私を憎々しげに見ている。その後ろには、ルティシアやクロードの姿があった。
「レティシア・ルーベンス!実の妹であるルティシアへの非道なる行い、すでに明白だ!!お前を国外追放とする!」
「そんな!レインハルト様!どうして!!」
ああ。これは『金と銀のレガリア』の断罪シーンだ。国外追放ってことは、レインハルトルートじゃない。クロードルートなのかしら。
『私』が、泣き叫んでも、誰も助けてくれようとしない。
いや、ルティシアだけが「誤解です。きっと何かわけが・・・」って言ってくれてるけど、『私』は確かに、ルティシアを苛めていたのだ。
優しい妹。『私』は、どうして彼女に優しくできなかったのだろう。
「・・・シア。レティシア」
髪を撫でる手と、優しい声に、意識が浮上する。
ソファーで横たわる私の前に、跪いたシオン様の姿があった。
「レティシア。涙が・・・」
その細い指で、そっと目尻を拭ってくれる。
よかった。夢だった。
私は、ルティシアを苛めてなんかいない。
私は、レインハルト様に断罪されてなんかいない。
私はー
「大丈夫、です。少し、怖い夢を見ていて・・・」
「そう?無理しないで?キースから聞いて、心臓が止まりそうだったよ」
頬を撫でる手が優しい。その手に、うっとりとしていた私は、シオン様の言葉に、ビクッと固まった。
そうだ。私は、ジュリアにー
恐怖が身体に戻ってくる。ガクガクと震え出した私を、シオン様が慌てて抱きしめてくれる。
「大丈夫。2度と君を危険な目に合わせたりしない。僕の、レティシア。どうか、僕だけを感じて」
シオン様に抱きしめられていると、少しずつ震えが治まってくる。
私が、1番安心できる場所。
「兄上、それでは、打ち合わせ通りに」
レインハルト様の声に、抱きしめられた腕から顔を上げると、クロードやルティシアが、部屋から出て行こうとしているところだった。
打ち合わせ?打ち合わせって何?というか、どうして、みんなが?
「ああ、レティシアには僕から説明しておく。ルティシア嬢、君もくれぐれも注意してくれ」
「はい、殿下。レティシアをお願いします」
ルティシアが、シオン様に頭を下げ、目が合った私に、ひらひらと手を振ってくる。
ルティシア。大切な、大切な妹。
優しく、人に愛されるに相応しい、真の『ヒロイン』
そうだ。『ヒロイン』とは、ルティシアのような存在なのだ。人に悪意を向けるような、あんな人間を『ヒロイン』とは絶対認めない!
みんなが退出し、2人切りになると、シオン様は私を抱き上げ、自分の膝の上へと座らせた。
し、シオン様、膝抱っこお好きなのよね・・・恥ずかしいのに。
恥ずかしくて赤くなってしまうけど、私はうつむきながらも、シオン様に疑問をぶつけることにする。
「打ち合わせとはなんなのです?」
「ああ。それはー」
そのあとシオン様は、ジュリアを断罪するための、作戦を話してくれた。
「僕の大切な花嫁を傷つけようとしたんだ。絶対に、許さないよ」
そして、シオン様はそう呟くと、私の頬にキスを落としたー
レインハルト様が、私を憎々しげに見ている。その後ろには、ルティシアやクロードの姿があった。
「レティシア・ルーベンス!実の妹であるルティシアへの非道なる行い、すでに明白だ!!お前を国外追放とする!」
「そんな!レインハルト様!どうして!!」
ああ。これは『金と銀のレガリア』の断罪シーンだ。国外追放ってことは、レインハルトルートじゃない。クロードルートなのかしら。
『私』が、泣き叫んでも、誰も助けてくれようとしない。
いや、ルティシアだけが「誤解です。きっと何かわけが・・・」って言ってくれてるけど、『私』は確かに、ルティシアを苛めていたのだ。
優しい妹。『私』は、どうして彼女に優しくできなかったのだろう。
「・・・シア。レティシア」
髪を撫でる手と、優しい声に、意識が浮上する。
ソファーで横たわる私の前に、跪いたシオン様の姿があった。
「レティシア。涙が・・・」
その細い指で、そっと目尻を拭ってくれる。
よかった。夢だった。
私は、ルティシアを苛めてなんかいない。
私は、レインハルト様に断罪されてなんかいない。
私はー
「大丈夫、です。少し、怖い夢を見ていて・・・」
「そう?無理しないで?キースから聞いて、心臓が止まりそうだったよ」
頬を撫でる手が優しい。その手に、うっとりとしていた私は、シオン様の言葉に、ビクッと固まった。
そうだ。私は、ジュリアにー
恐怖が身体に戻ってくる。ガクガクと震え出した私を、シオン様が慌てて抱きしめてくれる。
「大丈夫。2度と君を危険な目に合わせたりしない。僕の、レティシア。どうか、僕だけを感じて」
シオン様に抱きしめられていると、少しずつ震えが治まってくる。
私が、1番安心できる場所。
「兄上、それでは、打ち合わせ通りに」
レインハルト様の声に、抱きしめられた腕から顔を上げると、クロードやルティシアが、部屋から出て行こうとしているところだった。
打ち合わせ?打ち合わせって何?というか、どうして、みんなが?
「ああ、レティシアには僕から説明しておく。ルティシア嬢、君もくれぐれも注意してくれ」
「はい、殿下。レティシアをお願いします」
ルティシアが、シオン様に頭を下げ、目が合った私に、ひらひらと手を振ってくる。
ルティシア。大切な、大切な妹。
優しく、人に愛されるに相応しい、真の『ヒロイン』
そうだ。『ヒロイン』とは、ルティシアのような存在なのだ。人に悪意を向けるような、あんな人間を『ヒロイン』とは絶対認めない!
みんなが退出し、2人切りになると、シオン様は私を抱き上げ、自分の膝の上へと座らせた。
し、シオン様、膝抱っこお好きなのよね・・・恥ずかしいのに。
恥ずかしくて赤くなってしまうけど、私はうつむきながらも、シオン様に疑問をぶつけることにする。
「打ち合わせとはなんなのです?」
「ああ。それはー」
そのあとシオン様は、ジュリアを断罪するための、作戦を話してくれた。
「僕の大切な花嫁を傷つけようとしたんだ。絶対に、許さないよ」
そして、シオン様はそう呟くと、私の頬にキスを落としたー
87
あなたにおすすめの小説
良くある事でしょう。
r_1373
恋愛
テンプレートの様に良くある悪役令嬢に生まれ変っていた。
若い頃に死んだ記憶があれば早々に次の道を探したのか流行りのざまぁをしたのかもしれない。
けれど酸いも甘いも苦いも経験して産まれ変わっていた私に出来る事は・・。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
一体何のことですか?【意外なオチシリーズ第1弾】
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【あの……身に覚えが無いのですけど】
私は由緒正しい伯爵家の娘で、学園内ではクールビューティーと呼ばれている。基本的に群れるのは嫌いで、1人の時間をこよなく愛している。ある日、私は見慣れない女子生徒に「彼に手を出さないで!」と言いがかりをつけられる。その話、全く身に覚えが無いのですけど……?
*短編です。あっさり終わります
*他サイトでも投稿中
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
クリスティーヌの本当の幸せ
宝月 蓮
恋愛
ニサップ王国での王太子誕生祭にて、前代未聞の事件が起こった。王太子が婚約者である公爵令嬢に婚約破棄を突き付けたのだ。そして新たに男爵令嬢と婚約する目論見だ。しかし、そう上手くはいかなかった。
この事件はナルフェック王国でも話題になった。ナルフェック王国の男爵令嬢クリスティーヌはこの事件を知り、自分は絶対に身分不相応の相手との結婚を夢見たりしないと決心する。タルド家の為、領民の為に行動するクリスティーヌ。そんな彼女が、自分にとっての本当の幸せを見つける物語。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる