悪役令嬢?寝言は寝て言え〜全員揃って一昨日来やがれ〜

みおな

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どうぞ、どうぞ!

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 王妃様は、王太子殿下と私を婚約させたいみたいだけど、私はもちろんのこと王太子殿下も私でない相手を見染めたみたいだ。

 王太子・・・えっと確かジェラードだっけか、彼に熱心に話しかけられている伯爵令嬢がチラリと私を見た。

 わー。めっちゃ勝ち誇ったような顔するじゃん。

 そんな顔しなくても、喜んで譲ってあげちゃうよ。

 なんなら、熨斗だってつけちゃうよ。

 だって、ちっとも全く全然カケラも、悔しくないもん。

 むしろ、しっかり捕まえて離さないでって思うくらいだわ。

「あらあら、レッチェル伯爵令嬢は、夫人と違って謙虚さがないのね」

「レッチェル伯爵夫人は、謙虚な方なのですか?」

「ええ。先ほどしたら、伯爵家には荷が重いけど、出来る限りのことはしますとおっしゃって下さったのよ。まぁ、殿下がお気に召したみたいだからこのまま押し進めましょう」

 そうよね。
本人同士が相手を気に入ったのなら、その方が良いわよね。

 好きあった同士なら、ヒロインが現れても気持ちが揺らいだりしないかもだし。

 伯爵家なら、ギリギリ王太子妃になれるし、そんなに王太子のことが好きなら王太子妃教育も頑張れるでしょ。

「レッチェル伯爵令嬢が力不足である可能性もあるから、アーデン侯爵家にも頑張ってもらわないとね」

 アーデン侯爵家は、レモンイエローのドレスのご令嬢の家だ。

 にこやかに笑顔を浮かべているけど、目が笑ってない気がする。

 十歳でアレかぁ。
高位貴族のご令嬢って、凄。

「力不足だった場合、やっぱりアレーシアを殿下の婚約者にと言ってくる可能性が高いわ。政略結婚だもの、本人の気持ちより能力や家柄を重視されるわ。だから、アーデン侯爵令嬢にも候補に入っておいてもらわないとね」

 だから、彼女たちに先に王太子に挨拶させたんだ。

「でも、念のためにアレーシアも婚約者を決めておいた方が良いかもしれないわね。誰か、気になる人はいないの?」

 気になる人。

 アレーシアとしてでなく、の推しだった人。

 でも、彼は・・・

「言えない人?身分差があるということかしら?アレーシアのためならお母様がどうにかしてあげるわ。言ってごらんなさい」

 えっと、お母様。
そんなものって。

 そりゃ、フロライン公爵家はお兄様が継ぐから、私の相手の爵位はそこまで重要視はされないだろうけど。

 でも身分不相応というか、身分が低いと王家から圧力かけられちゃって、婚約を白紙撤回させられちゃうかもな気がするんだけど。

 廃籍を望んだのよ。
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