悪役令嬢?寝言は寝て言え〜全員揃って一昨日来やがれ〜

みおな

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嬉し恥ずかし

「うちのアレーシアの婚約者に、イアンくんになって欲しいのだが」

 お父様の言葉に、イアンがピタリと動きを止めた。

 その様子をお父様とお母様、お兄様がジッと見ている。

「イアン、まさか僕の可愛い可愛いアレーシアで不満だと?」

「お、お兄様、おやめください。無理強いはしない約束です」

 残念だけど、悲しいけれど、人の気持ちというか好みというものはどうしようとないものだと理解している。

 だって私も、王太子のことは好きになれないもの。

 ラノベの中と違って、多分現在の王太子には何の問題もないはず。

 ラノベの中でも、ヒロインに恋するまではアレーシアとの関係も悪くはなかった。

 それでも、好きになれなかった。

 多分、好みの問題だと思う。

 だから、イアンの好みが私でなくてもそれは仕方ない。

 うゔっ。泣きそう。
仕方ないとは分かっているけど、失恋はやっぱり悲しい~

「僕は、ガロード子爵家の息子で、しかも兄がいるために継ぐ家もない男です」

「あら、はどうとでもなるわ。そんなことよりも、貴方の本当のお気持ちが知りたいの。家も何も関係なく、イアンというひとりの男性として、アレーシアというひとりの女性をどう思うか、それを聞かせてくれるかしら?」

 お母様の問いに、イアンはしばらく目を瞑っていた。

 そして目を開けると、真っ直ぐに私を見た。

「アレーシア・フロライン公爵令嬢。僕と婚約していただけますか?」

「・・・よろしいのですか?」

「以前からお慕いしておりました。僕は継ぐ家もない子爵令息で、苦労をかけるかもしれませんが、絶対に泣かせるようなことはしないと誓います」

「はいっ・・・はい!よろしくお願いします」

 どうしよう。嬉しい。
継ぐ家なんてなくてかまわない。

 むしろ、貴族のしがらみとかない方が生きやすい。

 私の嬉しそうな様子に、苦虫を噛み潰したような顔だったお父様とお兄様も、笑ってくれた。

「アレーシアが嬉しそうだからな、仕方ない。だけど、アレーシアを泣かせたら許さないからな」

「理解っている」

「それでは、ガロード子爵と婚約の話を進めさせてもらおう。すまないね。先に君の気持ちと覚悟が知りたかった。アレーシアは王太子殿下の婚約者にと望まれる可能性が高い。その時に、アレーシアを守ってくれる男でなければと私たちは思っているんだ」

 政略結婚では、王家の圧力に屈してしまうだろう?

 お父様はそう続けると、私ににっこりと微笑みかけた。

「もちろん、我々も全力でアレーシアを守るがね」

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