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7歳
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兄様と一緒に、エミリーに教えてもらった人気店へと向かう。
私たちが行列に並ぼうとしたら、護衛の方々は自分たちが並ぶからと言ったけど、それだと買って来てもらうのと変わらない。
私は自分で買って帰りたいのだ。
申し訳なかったけど、これも仕事だと思って、諦めてもらおう。
それに、並ぶのも楽しみのひとつなのだ。そのあたりが男にはわからないんだろうな。
「シィ。抱っこしようか?」
アル兄様の、いつもの甘やかしが始まった。私は首を振る。
「大丈夫です。お兄さま」
さすがに街の人も、この国の王太子と王女の名前くらいは知っているだろう。
名前を呼ばないのはそのためだ。
まだ、社交場に出ていない私や、学園から卒業したばかりの兄様の顔はあまり知られていない。
護衛もいるから、せいぜい貴族の子息令嬢と見られているんじゃないかな。
アル兄様の抱っこ攻撃を適当に躱しつつ、私は行列を楽しんでいた。
色んな人たちが並んでいる。
子供連れの母親。友達同士らしい女の子4人。手土産にするのか、少し居心地の悪そうな男の人。
見ていて楽しい。
この世界に来てから、王宮の人間以外に会えなかったから、平民の、明るく楽しそうに話している人たちを見るのは、なんだか嬉しいのだ。
そんな中、店の入り口まであと少しというところで事件は起きた。
「あー?どけっつってんだろ!」
見るからにガラの悪そうな、現世で言うなら高校生くらいの男3人が列に割り込んで来たのだ。
割り込まれたのは、子供連れの母親で、子供は驚いたのか泣き出した。
周囲も注意したいのだろうが、自分たちに被害が及ぶことを恐れて、口を出せずにいる。
「ぎゃあぎゃあウルセェなぁ。うっせぇんだよ、どっか行けよ!」
「うるさいのはあなたたちなのです。横入りするようなクズこそどっか行けばいいのです」
「ああっ?誰だっ!出てきやがれっ!!」
「怒鳴るしか能のないクズが、うるさいのです」
私が列の後ろから現れると、男たちは一瞬、目を丸くした。
女の声なのは分かっていても、まさかこんな子供だとは思わなかったのだろう。
ちなみに、アル兄様も目を丸くしていた。私があんな発言をするとは思わなかったんだろうな。
「なんだっ?このクソガキ!」
「僕の可愛いシィをクソガキだって?どの口が言ってるんだい?」
あ。
クズ共が、アル兄様の地雷を踏んだみたいだ。
王宮では、私のことを悪く言う人間なんていないから気づかなかったけど、兄様の顔から笑みが消えている。
ちなみに、護衛さんたちの顔にも青筋が立っている。
うーん。私が魔法で、お仕置きしてやろうと思ったんだけど、どうやら出番はなさそうだ。
私たちが行列に並ぼうとしたら、護衛の方々は自分たちが並ぶからと言ったけど、それだと買って来てもらうのと変わらない。
私は自分で買って帰りたいのだ。
申し訳なかったけど、これも仕事だと思って、諦めてもらおう。
それに、並ぶのも楽しみのひとつなのだ。そのあたりが男にはわからないんだろうな。
「シィ。抱っこしようか?」
アル兄様の、いつもの甘やかしが始まった。私は首を振る。
「大丈夫です。お兄さま」
さすがに街の人も、この国の王太子と王女の名前くらいは知っているだろう。
名前を呼ばないのはそのためだ。
まだ、社交場に出ていない私や、学園から卒業したばかりの兄様の顔はあまり知られていない。
護衛もいるから、せいぜい貴族の子息令嬢と見られているんじゃないかな。
アル兄様の抱っこ攻撃を適当に躱しつつ、私は行列を楽しんでいた。
色んな人たちが並んでいる。
子供連れの母親。友達同士らしい女の子4人。手土産にするのか、少し居心地の悪そうな男の人。
見ていて楽しい。
この世界に来てから、王宮の人間以外に会えなかったから、平民の、明るく楽しそうに話している人たちを見るのは、なんだか嬉しいのだ。
そんな中、店の入り口まであと少しというところで事件は起きた。
「あー?どけっつってんだろ!」
見るからにガラの悪そうな、現世で言うなら高校生くらいの男3人が列に割り込んで来たのだ。
割り込まれたのは、子供連れの母親で、子供は驚いたのか泣き出した。
周囲も注意したいのだろうが、自分たちに被害が及ぶことを恐れて、口を出せずにいる。
「ぎゃあぎゃあウルセェなぁ。うっせぇんだよ、どっか行けよ!」
「うるさいのはあなたたちなのです。横入りするようなクズこそどっか行けばいいのです」
「ああっ?誰だっ!出てきやがれっ!!」
「怒鳴るしか能のないクズが、うるさいのです」
私が列の後ろから現れると、男たちは一瞬、目を丸くした。
女の声なのは分かっていても、まさかこんな子供だとは思わなかったのだろう。
ちなみに、アル兄様も目を丸くしていた。私があんな発言をするとは思わなかったんだろうな。
「なんだっ?このクソガキ!」
「僕の可愛いシィをクソガキだって?どの口が言ってるんだい?」
あ。
クズ共が、アル兄様の地雷を踏んだみたいだ。
王宮では、私のことを悪く言う人間なんていないから気づかなかったけど、兄様の顔から笑みが消えている。
ちなみに、護衛さんたちの顔にも青筋が立っている。
うーん。私が魔法で、お仕置きしてやろうと思ったんだけど、どうやら出番はなさそうだ。
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