はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第五十一話

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「リズ!」

 ああ、アルバート様にそう呼ばれるのは、いつぶりかしら。

 一週間前、ブレンディ侯爵令息様は西の収容施設に移送され、その翌日にドロシー王女殿下はキラウェイ王国へ出立されました。

 ドロシー王女殿下の出立後すぐに、国王陛下と王妃殿下は静養という名の幽閉で、離宮へと移られました。

 世情が落ち着いたら、毒杯を与えると聞いています。

 贅沢をさせるつもりはありませんが、生きているだけでお金がかかるのですから。

 国王陛下の役目は現在、王弟殿下が代理という形を取られています。

 一ヶ月後には第一王子殿下が立太子される予定です。

 その頃には、ドロシー王女殿下はキラウェイ王国に着かれていますわね。

 どのような形になっても、キラウェイ王国から出さないという約束で、キラウェイ王国の王家が欲していた技術を教えると聞きましたわ。

 あの国は、他国との交流をほとんどしないので、自国での自給率は高いのですが、水害に悩まされているそうです。

 そこでカリスタの商会の、治水に関する技術を教える約束だとか。

 水害で困窮するのは民ですから、お教えするのは良いことだと思います。

 ブレンディ侯爵令息様の方は、真面目に働いていれば・・・そうですわね、第一王子殿下が国王陛下に即位される時に恩赦が与えられると思いますわ。

 私のことを好きだとか意味不明なことを言いながら、フォールス様に口づけなさったそうですし、二度とお会いしたくはありませんけど、立ち直って欲しいとは思います。

「アルバート様」

「やっと、やっとだ。邪魔が入る前に、早く婚約したい」

「ふふっ。大丈夫ですわ。他の方に譲ったりしませんから」

 ドロシー王女殿下と婚約された時、胸が締め付けられるような気持ちがしました。

 それでも、アルバート様が王太子としてクシュリナ王国にとって必要な選択をしたのだと思い諦めたのです。

 クレメンタイン王国国王陛下たちの嘘のせいだと、あの頃は気付かずにいたのです。

 でも。

 もう誰にも、アルバート様の隣を譲るつもりはありませんわ。

 ずっと・・・
ずっと忘れられなかったのです。

 気持ちを捨て切ることが出来なかったのです。

 ブレンディ侯爵令息様と婚約して、政略結婚だと割り切って、あの方をちゃんと尊敬して、カリスタ女伯爵として生きようと思ってはいましたけど、心の奥底にアルバート様への気持ちは眠っていたのです。

 そしてきっと、アルバート様の中にも・・・

「フォールスのご兄妹にもご紹介くださいね」

 嫌なお役目を果たしてくださったのですもの。

 お礼を申し上げなくてはいけませんわ。


 
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