はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第七十一話

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 最近、セイラやセインが忙しそうにしていますけど、何かあったのでしょうか?

 セイラに尋ねてみても「大丈夫です。万全です」とか言うのですけど、何が万全なのかしら?

 でも、こうなるとセイラは絶対に教えてくれないのよね。

 意外と頑固で、涙脆くて、心優しいセイラ。

 フォールスの双子は、王太子殿下と王太子妃に仕えるために育てられたそうです。

 もちろん、セイラもいずれ良き殿方と結婚するのですけど、お相手の殿方がフォールスの家風に合った方なら、結婚してもお相手の家に嫁がないのだそうです。

 子供が生まれたら、いずれまた私とアルバート様の子供に仕えるように育てるのだとか。

 セイラが無理なら、アルバート様にお伺いするしかありませんわね。

「それでアルバート様、セイラたちは何を忙しくしていますの?」

「え、ええと・・・」

「教えてくださらないのなら、しばらく閨はお休みさせていただきますわ」

「教える!教えますっ!隣国のバルトフェルドの公爵家から何度も求婚の手紙が届いていて、それの対処を頼んでますっ!」

 そういえば、一度そんなお手紙が私宛てに届きましたわね。

 あれ以来、手紙を見ていないと思っていましたけど、まさか私にではなくアルバート様に届いていましたの?

 数ヶ月前、バルトフェルド帝国の公爵令嬢から、私宛てに手紙が届きました。

 クシュリナ王国の王太子殿下であるアルバート様は、自分と婚約する予定だったのだと。

 それを商会の力を振りかざして婚約を結ぶなんて、と。

 たかが伯爵令嬢がとも書いてありましたわね。

 私は、アルバート様のお気持ちを信じております。

 そして私自身、アルバート様のお隣をもう誰かに譲るつもりはありません。

 お父様にご連絡して、一応ですが抗議の手紙を送っていただいたのですけど、それでおさまったわけではなかったのですね。

「納得したわけではなかったのですね。それで対処とは?」

「あまりに酷いから、陛下にも皇帝陛下に抗議してもらったんだが、あそこは欲しいものはどんなことをしてでも手に入れるのが正義というような国で、抗議も全く聞き入れてくれなくて」

 それはまた、なんというか・・・

 国から国への抗議ですのに、全く気になさらないなんて。

「帝国とは、特に国交をしているわけではないと王太子妃教育では教わりましたけど」

「ああ。一応、不可侵条約を結んでいる程度だ。あまり関わりたくない国だからね」

「そうですわね。カリスタ商会うちもあの国には出店していません。でも、逆に面倒ですわね」

 出店していれば、クレメンタイン王国のようにある程度掌握できるのですけど。
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