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モブ、ビビる。
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「お、母様?」
「そんな方が、王太子でこの国は大丈夫かしら?陛下と王妃殿下は、子育てをしっかりなされていないようね」
お母様が、めっちゃ不敬なことを口にしてるけど、そんなことより、表情が怖い!
笑ってるのに、目が笑ってない!
こういう表情は前世で見たことある!
私の作ったプロットを読んで、有無を言わせず書き直しさせるときの、編集さんの顔だ!!逆らっちゃ駄目なヤツ!
「ふふっ。大丈夫よ、アイル。そんなお馬鹿さんな殿下には、ちゃんとお灸をすえてもらってあげるわ」
「お母様・・・あ、あの、ありがとうございます。ですが、その、エリルが怯えているので・・・」
お母様の纏う空気に怯えているのか、エリルが私の腰に、ガッチリとしがみついていた。
そして、フルフルと震えている。
はっきり言って、私もちょっと怖いけど、そこは姉として、可愛いエリルの怯えを取り除くべく、ずっと頭を撫でている。
というか、もう泣き出しそうだから!エリル、泣いちゃうから!
「あ、あら?ごめんなさいね、エリル。エリルのことを怒っているんじゃないのよ?」
「そうだよ、エリル。だからほら、お父様のお膝においで?お菓子をあげよう」
「お菓子・・・ううん。お姉様の隣がいい」
お菓子は欲しいけど、私の隣にいたいというエリル。
うーん。可愛い。
私の妹が可愛い件を、小1時間ほど語りたいわ。
「やれやれ。うちの娘たちは本当に可愛いね」
「ええ、本当に。こんな可愛い娘を、悩ませるなんて。やっぱり殿下にはお灸が必要ね」
お父様とお母様の娘ラブ♡な発言は置いといて、殿下にお灸ってどうするつもりなんだろう。
いや。アレは今のうちに改善しといたほうがいいのかな。
ヒロインが現れたときに、お花畑脳になられても困るし。
「話を戻そう。婚約者を決めたいんだったね、アイル」
「はい。あの、お母様が殿下を注意して下さるのなら、必要ないかもしれないのですが・・・」
改善されるのなら、婚約者を急いで決める必要ない、かな?
でも、貴族の令嬢は、高位貴族になればなるほど、早いうちに婚約者が決まる。
うちは伯爵家だから、イレーヌや他の攻略対象の婚約者方のように、子供のうちから決められることはなかったけど、優良物件は早めに唾つけておかないと、という気もする。
前世のように恋愛結婚を!という我儘も言えない。
エリルには、出来ることなら好きな相手と結婚して欲しいから、ここは長女として覚悟を決めるべきだろう。
幸いなことに、特別好きな相手もいない。
「それなら・・・シキと婚約したらどうかな?」
そう考えていた私は、お父様の言葉に目を見開いた。
「そんな方が、王太子でこの国は大丈夫かしら?陛下と王妃殿下は、子育てをしっかりなされていないようね」
お母様が、めっちゃ不敬なことを口にしてるけど、そんなことより、表情が怖い!
笑ってるのに、目が笑ってない!
こういう表情は前世で見たことある!
私の作ったプロットを読んで、有無を言わせず書き直しさせるときの、編集さんの顔だ!!逆らっちゃ駄目なヤツ!
「ふふっ。大丈夫よ、アイル。そんなお馬鹿さんな殿下には、ちゃんとお灸をすえてもらってあげるわ」
「お母様・・・あ、あの、ありがとうございます。ですが、その、エリルが怯えているので・・・」
お母様の纏う空気に怯えているのか、エリルが私の腰に、ガッチリとしがみついていた。
そして、フルフルと震えている。
はっきり言って、私もちょっと怖いけど、そこは姉として、可愛いエリルの怯えを取り除くべく、ずっと頭を撫でている。
というか、もう泣き出しそうだから!エリル、泣いちゃうから!
「あ、あら?ごめんなさいね、エリル。エリルのことを怒っているんじゃないのよ?」
「そうだよ、エリル。だからほら、お父様のお膝においで?お菓子をあげよう」
「お菓子・・・ううん。お姉様の隣がいい」
お菓子は欲しいけど、私の隣にいたいというエリル。
うーん。可愛い。
私の妹が可愛い件を、小1時間ほど語りたいわ。
「やれやれ。うちの娘たちは本当に可愛いね」
「ええ、本当に。こんな可愛い娘を、悩ませるなんて。やっぱり殿下にはお灸が必要ね」
お父様とお母様の娘ラブ♡な発言は置いといて、殿下にお灸ってどうするつもりなんだろう。
いや。アレは今のうちに改善しといたほうがいいのかな。
ヒロインが現れたときに、お花畑脳になられても困るし。
「話を戻そう。婚約者を決めたいんだったね、アイル」
「はい。あの、お母様が殿下を注意して下さるのなら、必要ないかもしれないのですが・・・」
改善されるのなら、婚約者を急いで決める必要ない、かな?
でも、貴族の令嬢は、高位貴族になればなるほど、早いうちに婚約者が決まる。
うちは伯爵家だから、イレーヌや他の攻略対象の婚約者方のように、子供のうちから決められることはなかったけど、優良物件は早めに唾つけておかないと、という気もする。
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エリルには、出来ることなら好きな相手と結婚して欲しいから、ここは長女として覚悟を決めるべきだろう。
幸いなことに、特別好きな相手もいない。
「それなら・・・シキと婚約したらどうかな?」
そう考えていた私は、お父様の言葉に目を見開いた。
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