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月は太陽に恋をする。
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「何を考えられているのですか」
ローラン伯爵家の庭で、空を見上げていた私は、後ろからシキに抱きしめられた。
「シキ」
あの、断罪の時から1週間が過ぎていた。
前回、侯爵令嬢のカレリアを救ったことで、国王陛下は私の望みを叶えてくれた。
ティアラを修道院に送り、もしもちゃんと悔い改めたなら、いつの日かオリバーと夫婦になることを認めてくれたのだ。
もちろん、ティアラのこれからの態度次第では、それは永遠に叶わぬ夢となるし、オリバーの気持ちだって変わってしまうかもしれない。
それでも、2人とも未来は分からなくてもそれを望んだから。
今日は、ティアラが修道院に送られる日だ。
オリバーは一足先に修道院近くの兵士の訓練所に向かった。雑用係をやるために。
5年。
ティアラとオリバー、それぞれが5年頑張れば、平民としてだけど一緒に暮らすことができる。
もちろん監視は続くし、王都に戻ることは許されない。
それでも『自由』を手に入れられることが出来る。
「今度こそ、正しい道を歩んで欲しいと思って」
最後に会うことは、許されなかった。
頑張れって言いたかったけど、あの後悔の表情を信じるしかない。
「あのような者に、あんな慈悲を与えるなんて」
「慈悲じゃないわ」
「その優しさこそがアイル様だということはわかっていますが、それでももう2度と俺の前からいなくならないで下さい」
そう言うシキの胸に、その身を預ける。
私は、私の自己満足でカレリアを助けて死ぬ事になってしまった。
だけど、シキが私を好きになってくれたことで、私は再び生を得ることができたのだ。
優しいのは私じゃない。
私の好きなようにさせてくれる、お父様であり、お母様であり、シキだわ。
「あーっ!シキってばズルい!私もお姉様にぎゅっとするの」
可愛らしい声と共に、エリルがシキに背後から抱きしめられている私の腰の辺りに、ぎゅっと抱きついてくる。
「エリル様。アイル様は私の婚約者です」
「お姉様は、エリルのお姉様だもん。ね?お姉様」
「ふふっ。そうね、エリルは私の可愛い妹よ」
柔らかな金髪を撫でてやると、エメラルドの瞳が嬉しそうにキラキラと輝く。
8歳のエリルと張り合うなんて。
2人の愛情がこそばゆい。
すると、後ろから抱き締める腕の力が強くなった。
「アイル様。俺の愛しい人。俺を照らすただ1人の人。俺の太陽。俺のことも見て下さい」
すりっと首元に顔を寄せられ、甘く囁かれる。
私はー
この世界に転生することができて、本当に幸せだ。
優しいお父様とお母様。可愛くて、私を慕ってくれる妹。
私の大切なお友達の、イレーヌにカレリア、エリーゼ。
そして、私のことを誰よりも、それこそ自分よりも大切に思ってくれる婚約者。
優しくて、かっこよくて、頼りがいがあって、私をいつも包み込んでくれる人。
「シキ。大好きよ。ずっと、そばにいてね」
あなたがいてくれるなら、私は誰よりも幸せに笑っていられるからー
***fin***
ローラン伯爵家の庭で、空を見上げていた私は、後ろからシキに抱きしめられた。
「シキ」
あの、断罪の時から1週間が過ぎていた。
前回、侯爵令嬢のカレリアを救ったことで、国王陛下は私の望みを叶えてくれた。
ティアラを修道院に送り、もしもちゃんと悔い改めたなら、いつの日かオリバーと夫婦になることを認めてくれたのだ。
もちろん、ティアラのこれからの態度次第では、それは永遠に叶わぬ夢となるし、オリバーの気持ちだって変わってしまうかもしれない。
それでも、2人とも未来は分からなくてもそれを望んだから。
今日は、ティアラが修道院に送られる日だ。
オリバーは一足先に修道院近くの兵士の訓練所に向かった。雑用係をやるために。
5年。
ティアラとオリバー、それぞれが5年頑張れば、平民としてだけど一緒に暮らすことができる。
もちろん監視は続くし、王都に戻ることは許されない。
それでも『自由』を手に入れられることが出来る。
「今度こそ、正しい道を歩んで欲しいと思って」
最後に会うことは、許されなかった。
頑張れって言いたかったけど、あの後悔の表情を信じるしかない。
「あのような者に、あんな慈悲を与えるなんて」
「慈悲じゃないわ」
「その優しさこそがアイル様だということはわかっていますが、それでももう2度と俺の前からいなくならないで下さい」
そう言うシキの胸に、その身を預ける。
私は、私の自己満足でカレリアを助けて死ぬ事になってしまった。
だけど、シキが私を好きになってくれたことで、私は再び生を得ることができたのだ。
優しいのは私じゃない。
私の好きなようにさせてくれる、お父様であり、お母様であり、シキだわ。
「あーっ!シキってばズルい!私もお姉様にぎゅっとするの」
可愛らしい声と共に、エリルがシキに背後から抱きしめられている私の腰の辺りに、ぎゅっと抱きついてくる。
「エリル様。アイル様は私の婚約者です」
「お姉様は、エリルのお姉様だもん。ね?お姉様」
「ふふっ。そうね、エリルは私の可愛い妹よ」
柔らかな金髪を撫でてやると、エメラルドの瞳が嬉しそうにキラキラと輝く。
8歳のエリルと張り合うなんて。
2人の愛情がこそばゆい。
すると、後ろから抱き締める腕の力が強くなった。
「アイル様。俺の愛しい人。俺を照らすただ1人の人。俺の太陽。俺のことも見て下さい」
すりっと首元に顔を寄せられ、甘く囁かれる。
私はー
この世界に転生することができて、本当に幸せだ。
優しいお父様とお母様。可愛くて、私を慕ってくれる妹。
私の大切なお友達の、イレーヌにカレリア、エリーゼ。
そして、私のことを誰よりも、それこそ自分よりも大切に思ってくれる婚約者。
優しくて、かっこよくて、頼りがいがあって、私をいつも包み込んでくれる人。
「シキ。大好きよ。ずっと、そばにいてね」
あなたがいてくれるなら、私は誰よりも幸せに笑っていられるからー
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