冤罪で断罪されたら、魔王の娘に生まれ変わりました〜今度はやりたい放題します

みおな

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王太子妃フランカ

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「王太子妃ってトゥーン公爵令嬢になった・・・伯爵家に出戻った人の連れ子さんだったよね?名前、聞いてたっけ?」

 表現が難しい。
アークライン王国では、生まれた時の身分が結婚するまで適用される。

 つまりは、今は公爵家に陞爵されてるけど、その連れ子さんは正確には公爵令嬢ではないの。

 ローズリッテの父親は元々公爵で、伯爵家に婿入りして、陞爵し再び公爵となった。

 伯爵家に出戻ったその人は、伯爵令嬢だったわけだけど、結婚した時点でその婚家の爵位、伯爵家なら伯爵夫人になった。

 でも離婚したから・・・
一度婚姻してると令嬢とは呼ばれないから、元伯爵夫人ってとこかしら。

 その離縁した婚家が伯爵家なら、そのご令嬢の身分は伯爵令嬢で公爵令嬢にはなれない。

 アークライン王国って面倒なのよね。
他国なら、そのままその時の爵位で呼ぶことが多いから、連れ子でも公爵令嬢って判断されるのに。

「出戻った元子爵夫人の名はアデリーン。その連れ子の名はフランカです」

 あら?子爵家に嫁いだの。
いわゆる格下?の子爵家に嫁いで離縁されるって何やったのよ。

「じゃあ、王太子妃は子爵令嬢なのね。優秀な方なの?王太子妃教育って大変だと思うけど」

 少なくとも、ローズリッテには重荷だったわ。

 公爵令嬢として幼い頃から淑女教育を厳しく叩き込まれ、それが終わったら王太子妃教育がすぐに始まった。

 それは今の私の中にも生きているから、無駄にはなってないけど、もう一度アレをやれと言われたら、絶対婚約をお断りするくらい辛かった。

「いえ。子爵令嬢ではなく平民ですね」

「は?」

「元子爵夫人が平民との間に作った子供です。夫人にも子爵にも似ていなかったことで、生まれた当時も不貞を疑われたようですが、その時は上手く誤魔化したようです。ですが、その娘以降全く子供を授かれず、調べたところ子爵には子種がなく、子が生まれるわけがなかったそうです」

 それは、何とも不憫なことね。
自分の娘だと思って育てて来た子供が、どこの誰かも知らない人間の子供だったなんて。

 それは離縁されるし、子供が子爵家に引き取られなかったのも分かるわ。

 でも、よくそんな子を王太子妃にしたわね。

 王族に嫁げるのは侯爵家以上。
それは、それだけ教育が厳しくて、それをやり切れる資質が必要だからなのに。

 子爵家なら、そんなに厳しく淑女教育はしていないはず。

 どんなに優秀でも、淑女教育の上に王太子妃教育なんて、いくら時間があっても足りないと思うけど。

「王太子妃としての公務は、満足に出来ていないようですね。王妃が代理でこなしている様子です。それに、あの元子爵夫人の血をしっかりと引いているようで、先日懐妊がわかったようですよ」

 は?
セドリック様は子が出来ないようにサウロン様にしてもらっているのに?

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