44 / 56
私は当分子供でいいわ
しおりを挟む
「ばっかじゃないの」
思わず本音が出てしまったわ。
そういう貴族はアークライン王国でもいたから、分からないでもないけど、私はパパの娘なのよ?
魔王の娘を排除って、自分の一族を破滅させたいのかしら。
ローズリッテのように、父親が娘を道具としてしか見てなかったなら、それも一つの手かもしれないけど、どう見ても私はパパに溺愛してもらってるのよ?
いくら悪魔族だからといって、排除しようとする相手のことを知らなすぎじゃない?
「ロゼ様を排除・・・そうですか。その人たちは浄化されたいんですね」
「え、ちょっ・・・待って、レイ!」
ゆらりとレイから青白いオーラが立ちのぼる。
え?え?
レイって聖魔法の力は失ったんだよね?
何そのオーラ。
慌てて、その袖を引いた。
「ちょい待ち!レイちゃん!生命力を変換しちゃ駄目!落ち着いて!どう!どう!」
「レイ、落ち着きなさい。レイに何かあればロゼ様が悲しみます」
「気持ちは分かるがな」
サウロン様、ノインが制止をかけ、パパが威圧したことで、レイから立ちのぼるオーラが消えた。
「レイ!大丈夫?」
「・・・はい。申し訳ございません。頭に血がのぼりました」
レイは・・・
ローズリッテの時も、私を救うためにその力を使ってくれた。
ぎゅっと抱きつく。
「レイ、大好き。気持ちは嬉しいけど、無茶しないで。レイがいなくなっちゃったら、私悲しい」
「ロゼ様」
「もぉ~、レイちゃんが手を下さなくても、王様もノインも僕もいるんだから、みんなに任せておけば良いんだよ。レイちゃんは、姫様が笑顔でいられるようにそばに付いてなきゃ」
「・・・はい」
レイの聖女の力はほとんどが失われてしまっているけれど、ほんの少しだけ残っていて、レイは自分の生命力を変換して聖女の力を使おうとしてたらしい。
私はレイが聖女でなくても構わないし、こんな人たちのために無茶はして欲しくない。
そもそも、基本的に・・・
「サウロン様って、別に私のこと好きじゃないよね」
「・・・それはロゼでは不満だということか?」
「ちょっ、ちょっと待って、王様!不満とかじゃないから!姫様は可愛いと思うけど、恋愛対象じゃないだけだから!」
そう。
サウロン様って、最初からレイにしか興味がないのよ。
王女だからそれなりに敬ってくれてるというか、子供だから可愛がってくれてるというか、単にそれだけ。
今回、招いてくれたのも多分というか間違いなく、レイを招きたいからオマケで私を招いたんだと思う。
別にそれでも良いわ。
私は当分、恋愛なんてしたくない。子供のままでいいもの。
思わず本音が出てしまったわ。
そういう貴族はアークライン王国でもいたから、分からないでもないけど、私はパパの娘なのよ?
魔王の娘を排除って、自分の一族を破滅させたいのかしら。
ローズリッテのように、父親が娘を道具としてしか見てなかったなら、それも一つの手かもしれないけど、どう見ても私はパパに溺愛してもらってるのよ?
いくら悪魔族だからといって、排除しようとする相手のことを知らなすぎじゃない?
「ロゼ様を排除・・・そうですか。その人たちは浄化されたいんですね」
「え、ちょっ・・・待って、レイ!」
ゆらりとレイから青白いオーラが立ちのぼる。
え?え?
レイって聖魔法の力は失ったんだよね?
何そのオーラ。
慌てて、その袖を引いた。
「ちょい待ち!レイちゃん!生命力を変換しちゃ駄目!落ち着いて!どう!どう!」
「レイ、落ち着きなさい。レイに何かあればロゼ様が悲しみます」
「気持ちは分かるがな」
サウロン様、ノインが制止をかけ、パパが威圧したことで、レイから立ちのぼるオーラが消えた。
「レイ!大丈夫?」
「・・・はい。申し訳ございません。頭に血がのぼりました」
レイは・・・
ローズリッテの時も、私を救うためにその力を使ってくれた。
ぎゅっと抱きつく。
「レイ、大好き。気持ちは嬉しいけど、無茶しないで。レイがいなくなっちゃったら、私悲しい」
「ロゼ様」
「もぉ~、レイちゃんが手を下さなくても、王様もノインも僕もいるんだから、みんなに任せておけば良いんだよ。レイちゃんは、姫様が笑顔でいられるようにそばに付いてなきゃ」
「・・・はい」
レイの聖女の力はほとんどが失われてしまっているけれど、ほんの少しだけ残っていて、レイは自分の生命力を変換して聖女の力を使おうとしてたらしい。
私はレイが聖女でなくても構わないし、こんな人たちのために無茶はして欲しくない。
そもそも、基本的に・・・
「サウロン様って、別に私のこと好きじゃないよね」
「・・・それはロゼでは不満だということか?」
「ちょっ、ちょっと待って、王様!不満とかじゃないから!姫様は可愛いと思うけど、恋愛対象じゃないだけだから!」
そう。
サウロン様って、最初からレイにしか興味がないのよ。
王女だからそれなりに敬ってくれてるというか、子供だから可愛がってくれてるというか、単にそれだけ。
今回、招いてくれたのも多分というか間違いなく、レイを招きたいからオマケで私を招いたんだと思う。
別にそれでも良いわ。
私は当分、恋愛なんてしたくない。子供のままでいいもの。
106
あなたにおすすめの小説
今、私は幸せなの。ほっといて
青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。
卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。
そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。
「今、私は幸せなの。ほっといて」
小説家になろうにも投稿しています。
〈完結〉前世と今世、合わせて2度目の白い結婚ですもの。場馴れしておりますわ。
ごろごろみかん。
ファンタジー
「これは白い結婚だ」
夫となったばかりの彼がそう言った瞬間、私は前世の記憶を取り戻した──。
元華族の令嬢、高階花恋は前世で白い結婚を言い渡され、失意のうちに死んでしまった。それを、思い出したのだ。前世の記憶を持つ今のカレンは、強かだ。
"カーター家の出戻り娘カレンは、貴族でありながら離婚歴がある。よっぽど性格に難がある、厄介な女に違いない"
「……なーんて言われているのは知っているけど、もういいわ!だって、私のこれからの人生には関係ないもの」
白魔術師カレンとして、お仕事頑張って、愛猫とハッピーライフを楽しみます!
☆恋愛→ファンタジーに変更しました
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる